姫路城の世界遺産登録30周年を記念して5月3日から始まった「平成中村座姫路城公演」が連日大盛況となっている。
大天守が見下ろす三の丸広場に設けられた巨大な歌舞伎小屋は、小学校の体育館を一回り大きくしたイメージ。これが、わずか10日間程度で建てられた。
入場ゲートの頭上中央に掲げられているのは平成中村座の家紋である角切銀杏(すみきりいちょう)、そして左右には名作のワンシーンを描いた歌舞伎絵。昔の映画館の看板を思い出す。公演は2部制で、第1部が「播州皿屋敷」と「鰯売戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)」、第2部が「天守物語」と「棒しばり」。すでに座席チケットは完売しているが、貸切公演日以外は劇場窓口にて立ち見の当日券(3500円)限定18枚を販売することになったので、運が良ければ手に入れられるかも。
ただし、歌舞伎小屋の門前に出現した長さ50メートルの商店街「三十軒長屋」は、チケットがなくても出入り自由。向かって左側が地元商店の店舗、右側が歌舞伎関連の店舗となっており、地元からは播磨の地酒や姫路の銘菓などが販売されている。
一方の歌舞伎関連は歴代公演地の浅草・小倉などからやって来た14店舗。江戸文字、江戸手拭、江戸鼈甲、江戸切子など魅力的なグッズが勢揃いし、平成中村座のシンボルである角切銀杏があしらわれた限定品も出品。
しかも驚くことに、これら店舗は27日の千秋楽まで8日おきに店舗が入れ替わることになっており、第2クールは、祭り絵や銀細工、象牙加工といった伝統細工が登場予定。店舗巡りは第3クールまで3度楽しめるという。営業時間は午前10時30分~午後7時30分、ただし、18日は公演が休演のため全店休業。
(取材・文=播磨時報社)