オランダ王国(駐日オランダ大使館)は5日、大阪市内で大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)に出展するパビリオンの概要を発表した。
テーマは、共に分かち合い、新しい価値を生み出す『コモングラウンド(Common Ground 共創の礎)』。オランダは常に実証実験を行う国、というメッセージも込めた。


パビリオンには「新たな幕開け(A New Dawn)」と名付け、中心には「次世代への太陽(man made sun)」と呼ばれる、直径11メートもの球体をデザインした。
この球体は"日の出"を表現すると同時に、持続的に利用可能なクリーンエネルギーによって得られる未来を表現しているという。昼夜を問わず点灯し、中に入ることができる。水素など再生可能なクリーンエネルギーを水から生成するオランダの新たな技術を紹介する。


運営する日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長は、17世紀初頭から日本との貿易関係が始まり、蘭学が日本の医学、科学が発展する基礎となったことなどを挙げ、「出島(長崎市)の建設から400年以上が経過し、2025年には同じく人工島の夢洲(ゆめしま・大阪市此花区)が日本とオランダの新たな関係構築の舞台、まさにオランダのテーマ『コモングラウンド』になる」と歓迎した。


在大阪オランダ総領事館のマーク・カウパース総領事は、オランダの国土の約4分の1が海面下にあり、歴史的に水害で数多くの困難を乗り越えたことに触れ、「水との闘いは、私たちの最初の民主的な統治システム、国境や文化を超えた協力の始まりとなった。私たちが持つエネルギーや専門知識、アイデアを結集させ、風力を利用した海岸線の保護と埋め立てで、高度な治水システムを開発した」と語り、これが今のオランダを創り出した 『コモングラウンド』 のひとつとなったと述べた。そして、「この『コモングラウンド』を大阪でも活用させたい」と話した。


ドバイ万博でのフランスパビリオンは、砂漠の薄い空気から水を空気から水を作り出すユニークな取り組みが注目されたが、大阪・関西万博では、水から作るエネルギーを利用する技術を示す。化石燃料への依存から、水素を用いた新たなエネルギーへの道を探る。
また、大阪府と大阪市、経済団体が出展する地元館「大阪ヘルスケアパビリオン」とも連携することになっている。


【A New Dawn Common Ground~大阪・関西万博 オランダパビリオン・イメージ 】