自立した女性とその働き方が注目を集めている近年。なかでも連続起業家として広く知られる松村映子さんが、3日、ラジオ番組に出演。独自の経営論や人生観について語った。
松村さんは大学の情報工学科でプログラミングを学び、卒業後は東証一部上場のITコンサルタントの企業に就職。当時から起業の構想を練り、退職後に2011年に最初の会社を立ち上げるも、うまくいかず、3年での清算を経験した。
それでも、めげずに2社目として、2014年に宅配クリーニング「バスケット」を運営するバスケット株式会社を創業すると、1年での売却、M＆A（企業の合併・買収）に成功。「earth music&ecology」などを手がけるアパレルメーカー・株式会社ストライプインターナショナル（当時、株式会社クロスカンパニー）の完全子会社（グループ会社）となり、同社の取締役に就任した。その後、「自分は“ゼロイチ”をやるのが好きだし、得意」と2018年に退任し、新たな会社を起業。現在も経営を続けている。
さらに、起業家コミュニティ・ベンチャーキャピタル「千葉道場ファンド」にも参画。連続起業家・エンジェル投資家として活動している。
同じく連続起業家として活動している、ラジオ関西『セケンテー/ぼくらは囚われない』パーソナリティーのCEOセオが女性から見た“会社売却”の心理について言及すると、松村さん自身は「1年以内にM＆Aの話がきたら条件に関わらず売却すると決めていた」とひと言。「1年以内に声がかからない場合にも、少なくとも3年は経営を続けると最初に決めていた」と続け、創業時から綿密な事業売却計画を練っていたことを明かした。
そんな松村さんは、人生設計でもロジカルな一面を発揮する。
「前提として、仕事が大好きなので、結婚も出産もまったくするつもりがなく生きてきた」なか、今のパートナーと出会ったことを契機に、その方針に変化が。
「付き合いが始まった段階でパートナーから『子どもがほしい』と言われた。話し合ったなかで、ひとり目を無事に産むことができて、かわいいと思えたら、3人いこうとなった。なぜ3人かというと、日本の家族は4人で設計されているので、その型を破りに行きたかった」
そして、「40歳までに子ども3人を産み終わって、そのあともう1度『仕事にドライブをかけられるように』、32歳で1人目、34歳で2人目、36歳で3人目を出産、と逆算していた」と話す松村さんからは、ワーク・ライフ・バランスの面でも、計画性をもってチャレンジする様子がうかがえた。
一方、松村さんは、「自分が代表取締役を務めると失敗も成功も体験しているので、自分なりに『こうすると成功する』という型を作ってしまって……。その型をなかなか破ることができなくておもしろくない」と、起業経験が豊富ゆえの思いを吐露。そこで、現在経営している人材育成の会社では、新たなチャレンジとして20代の若者に代表取締役社長を任せている。
今まで会社をやっていて、新卒は実は採用したことがなかったという松村さんだが、若い代表取締役からの「人材育成の会社なら新卒採用にも目を向けるべき」という進言をきっかけに、この春、大学生インターンから入っていた学生を新卒第1号として採用。「新卒採用ってすごくいいなと感動した」と、新たな発見もあったようだ。
この取り組みに対して、「新卒採用は教育係の問題や、研修期間の関係で即戦力にならないとだいたい嫌がられるが、だれもが入社時はそうだったし積極的にやった方がいい」と同意を示したCEOセオ。また、「女性経営者はロジカルな方が多い印象」と前置きをしたうえで「会社経営には合理性が必要不可欠なので、その点でロジカルな思考ができる女性経営者は強みになる」と持論を語った。
番組の最後、松村さんは「基本、ゼロイチが好きなので、自分の会社を1万人雇用して1千億円（レベルの大企業）にするというよりは、ゼロイチをたくさん繰り返していきたい。そこに、再現性を求めたり、いろんな世代の人と一緒にやったり、いろんなチャレンジを回せていければ」と、今後の抱負をコメント。
CEOセオから、「起業家は新しいことをどんどんやってみたくなるもの。政治とかどうですか」と振られると、「それでいうと、セオさんが政治についていろいろ発信されているのを見て、めちゃめちゃ興味を持ち始めている」と語り、新たな分野への展望ものぞかせた。
※ラジオ関西『セケンテー/ぼくらは囚われない』2023年6月3日放送回より
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『セケンテー/ぼくらは囚われない』
放送日時：毎週土曜日 20:00～
放送局：ラジオ関西（AM 558KHz / FM 91.1MHz）
連続起業家兼アーティストのCEOセオとフリーアナウンサー田中大貴がパーソナリティを務める。
