「孤独を埋めてくれる感覚が、ラジオにはある」川嶋あい・丸岡いずみ・人気ラジオ番組プロデューサーが語るラジオの“チカラ” | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「孤独を埋めてくれる感覚が、ラジオにはある」川嶋あい・丸岡いずみ・人気ラジオ番組プロデューサーが語るラジオの“チカラ”

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 シンガーソングライターの川嶋あいがパーソナリティーを務めるラジオ番組『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(ラジオ関西、毎月第1・2週の日曜午後5時〜)。2023年6月11日放送回では、TBSラジオ『JUNK』統括プロデューサーの宮嵜守史さん、フリーアナウンサーの丸岡いずみらがゲスト出演し、ラジオが持つ“チカラ”について語った。

ラジオ関西『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』より。川嶋あい(左)、丸岡いずみ(手前)、TBSラジオ『JUNK』統括プロデューサーの宮嵜守史さん(奥)、松実高等学園の松井寛学園長(右)と同初等部の葛貫庸子校長(右から2人目)。

 番組では、川嶋が「(ラジオは)自由なところはすごく感じる。テレビやほかのメディアでは味わえない、ひとりじゃないんだという孤独を埋めてくれるような感覚が、ラジオにはある」と述べると、リスナーの1人としてラジオに親しんできた宮嵜さんも「思春期のとき、親元を離れて下宿していたが、眠れない夜にラジオをつけたら生放送で声が聴こえてきて、『街は眠っているけど、この人(ラジオパーソナリティー)も今、スタジオで起きてしゃべっているんだ』というのが、なんかちょっと安心できた。そういったよさはあると思う」と、当時を回顧しながら川嶋の話に共感していた。

 そういったラジオの魅力は今の若年層にもあるようで、番組では、丸岡が顧問を務める埼玉県の通信制高校技能連携校(フリースクール)・松実高等学園の生徒たちのラジオに関するエピソードとして、「リスナーの悩みを聴くと、悩んでいるのは『私だけではないんだ』と勇気ももらった。私にとってラジオはそっと寄り添ってくれる友人のような存在」「好きな人がラジオで話すのを聴くと、一緒にお話をしているような感覚で、とても大好き。勇気をもらったり、ラジオは自分に欠かせないもの」という声も紹介された。

 その話を聞いた宮嵜さんは、「10代でラジオを聴いているのはデータでみると少ないが、高校生で(ラジオが)寄り添ってくれるみたいな思いに至っているのは非常にうれしい」と述べたうえで、「(番組を)作っているほうも、しゃべるほうも、『おもしろくしよう』『ちゃんとやろう』ということなどで必死だと思うが、結果として受け手にはそういう(救われるような)感情、気持ち、考え方を持ってもらっているのは、作っている側としてはすごく幸せ」と、約25年もの長きにわたってラジオに携わってきた制作者の1人として、感慨ひとしおの様子。

 また、宮嵜さんは「(ラジオは)情報が音だけなので、自分が声を聴いて、自分のなかでパーソナリティーとの価値観の差異や共感など、自分が考える余白がすごくあると思う。テレビだと音と目の情報があるので情報を処理するのにいっぱいいっぱいになってしまうものだが、ラジオにはふと言った言葉をちょっと頭のなかで反芻して、『これって、すごく自分を突いてくる言葉かも』みたいな、ちょっと“しがむ”(かみしめる)余白がある」とラジオの良さについて持論を展開。

 今年3月には自身初となる書き下ろしエッセイ『ラジオじゃないと届かない』(ポプラ社)を上梓した宮嵜さんは、「僕はそれを本にも感じている。本は早送りできないし音がなくて文字だけだから、本もすごく自分が考える余白ができている。自分で自分にフィードバックするチャンス、機会が、ラジオや本にはすごくあるなと感じている」と、本とラジオの共通点にも言及した。

 一方、番組内では、松実高等学園の松井寛学園長と初等部の葛貫庸子校長も交えて、今の子どもたちや大人が悩みを抱え込んで不登校になったり引きこもってしまったりすることに関するトークも展開され、川嶋や丸岡らも「とにかくひとりで抱え込まないで」と呼びかけていた。

 この話題について、宮嵜さんは「僕はラジオをやっているが、ラジオでもいいし、テレビ、ゲーム、本でもいいと思うが、自分のよりどころ、居場所を1つでも見つけてもらったら、つらかったらそこに逃げればいいというような気持ちでいれば、ちょっとは楽になるのかなと思う」と、『自分でいられる場所』『逃げ込める場所』の重要性をコメント。そして、「相談をしたら自分がどう見られちゃうかなという心配が先に立つとは思うが、よりどころが見つからなかったら、試しにラジオを聴いてもらえれば。ラジオは自分の姿をさらさず聴けるし、本当にくだらない話をしていたり、気軽に聴けると思うので、ラジオを楽しんで聴いてみてください」と、リスナーにメッセージを送っていた。

 宮嵜さんの話に、フリースクールの顧問という立場でも共感していた丸岡は、「たとえばラジオネームを使って『こんなのもちょっとやってみてくださいよ』というのは、テレビ局に出すよりかは、なんとなくハードルは少し下がるかなと思う」と、ラジオの距離の“近さ”に魅力を感じているよう。そして、「SNS時代のデジタルネイティブな人たちが今のメディアや学校に何を求めているのかは意外と手探りのところがあり、『おじちゃん、おばちゃんはちょっとわかんない……』というのが本音で、実は(情報を)求めているもの。だから、みんなもあまりそんなにかしこまらず、『こんなこともちょっと番組でやってよ』『こんな授業があったら学校に楽しく来られるのに』みたいなものがあれば、ぜひぜひ寄せてほしい」と述べていた。

※ラジオ関西『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』2023年6月11日放送回より

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『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(パーソナリティ:川嶋あい)
【番組公式ブログ】

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明日への扉~いのちのラジオ+~ | ラジオ関西 | 2023/06/11/日 17:00-17:30

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