「不採用割」「めおとスーツ」 関西のオーダースーツ専門店が連発するユニーク企画に、納得の“鉄則” | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「不採用割」「めおとスーツ」 関西のオーダースーツ専門店が連発するユニーク企画に、納得の“鉄則”

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 ビジネスマンには仕事着、また、多くの人がここぞという時に勝負服として着用するスーツ。フルオーダーから既製服までさまざまある中、関西を拠点に展開する老舗オーダースーツ専門店のキャンペーンがユニークだと評判を呼んでいます。「不採用割」「めおとスーツ」「メダル割」などネーミングも独特ですが、じつは、あえて“ふざけ”続けているのだそう。理由や背景、信条について、「ツキムラ」4代目社長の月村太朗さんこと岸祐亮さんに聞きました。

 オーダースーツ専門店ツキムラは、1925年、昭和の始まりと共に「月村洋服店」として奈良県で創業。今年で創業98年を迎えます。

月村洋服店創業者、2代目、当時の職人たち(写真提供:株式会社ラガゾット)
2代目社長 奈良町の月村洋服店前にて1952年頃(写真提供:株式会社ラガゾット)
2代目社長 奈良町の月村洋服店前にて1952年頃(写真提供:株式会社ラガゾット)

「月村三五朗」を名乗った3代目の社長はアイデアマンだったそうで、歩道に店までの足跡を描いて客を誘導したり、ラジカセで宣伝文句を流してみたりと、当時としては画期的なPR手法に取り組んだといいます。

3代目社長 リニューアルしたJR奈良駅前店前で 1979年に撮影(写真提供:株式会社ラガゾット)
3代目社長 リニューアルしたJR奈良駅前店前で 1979年に撮影(写真提供:株式会社ラガゾット)

 3代目の姿勢は社風として受け継がれました。

 2002年、オーダースーツ「3着5万円」という破格のセット割引が生まれたのも、3代目社長による斬新なアイデアがきっかけだったとのこと。「納豆やプリンの“3個パック”のように、オーダースーツも3着セットで販売すればもっと身近になるのでは?」との提案だったそうです。

 当時オーダースーツといえば、一着でも5万円以上が当たり前でした。岸さんは、現在もそのセット割引を続ける背景について、「弊社のスーツも、十分引けを取らないクオリティ。有名高級ブランドの生地を取りそろえ、独自の丁寧な縫製と仕立てにもこだわっています。たくさんの注文を受け続けるからこそ成り立つ価格なんです」と語りました。ちなみに、岸さんの「月村太朗」との名も、3代目から付けてもらったものだそうです。

 その後、岸さん自身もさまざまな割引を考案してきました。たとえば、就職試験の不採用通知の枚数ごとに10%の割引を行う「不採用割」や、上司のスーツオーダーで部下のスーツが無料になる「スーツおごりサービス」など、内容・割引率ともにかなり思い切ったキャンペーンを続々と企画しています。

不採用通知割(写真提供:株式会社ラガゾット)
不採用通知割 写真右が4代目社長の岸祐亮さん(写真提供:株式会社ラガゾット)
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