日本記念日協会のHPを見ると、何月何日にどのような記念日が登録されているのかを見ることができます。記念日というと大体がその日付に沿った語呂合わせとなっており、今月7月の記念日を見てみても、7月3日(七味の日)、7月14日(内視鏡の日)、7月23日(ナッツミルクの日)などがあります。少し無理やりだと感じる語呂合わせも多々あるなか、筆者が気になったのが7月25日の『ナブコの日』です。
「ナブコって一体何?」と調べてみると、どうやら『ナブテスコ株式会社住環境カンパニー』が申請し登録された記念日であるとのこと。一体どんな会社なのでしょうか? ナブテスコ株式会社(以下、ナブテスコ)に直接、話を聞いてみました。
問い合わせる前に下調べをすると、ナブテスコはどうやら自動ドア業界のパイオニアであり、建物用自動ドアでは国内シェア約55%、世界シェア約20%を誇る会社であることがわかりました。では、7月25日の語呂合わせにもなっている「ナブコ」とは一体何なのでしょうか?
ナブテスコによると「“ナブコ”は現ナブテスコの旧社名で1925年に設立した日本エヤーブレーキ株式会社(NIPPON AIR BRAKE CO.LTD)の頭文字を取った『NABCO(ナブコ)』に由来し、商標登録もされています」とのこと。「『ナブコ』はナブテスコの自動ドアのブランドであり、1968年からナブコ自動ドアにはオリジナルのステッカーが使用されています」(ナブテスコ)。
街のなかで、自動ドアに青い縁の「自動」と書かれたステッカーが貼られているのを見たことはありますが、これが「ナブコ」の自動ドアだと示すことは知りませんでした。よく見れば真ん中に「NABCO」という字も書かれています。
ナブテスコが自動ドアのパイオニアと呼ばれているのは、日本で初めて国産自動ドアを開発したからだそうです。「当時の日本エヤーブレーキ株式会社は大正時代から鉄道のエヤーブレーキの製造を行っており、その技術を応用して1953年に鉄道車両用自動ドアを製造・販売を開始しました。そこから3年後の1956年には国産第1号建物用自動ドアの製品化を成功させています」(ナブテスコ)。
よくよく話を聞くと、ナブテスコは神戸との繋がりが深いこともわかりました。日本エヤーブレーキ株式会社(現ナブテスコ)は神戸市脇浜町に設立した会社であり、その発祥の地としてヤマダ電機テックランド神戸本店の敷地内に、石碑が設置されているとのことでした。
そして、ナブテスコが初めて外部から受注して設置した自動ドアは、第一銀行(現みずほ銀行)神戸支店だったそうです。現在は東京都千代田区に本社を置くナブテスコですが、神戸から世界に羽ばたいていった、と言っても過言では無さそうです。
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記念日について調べていると思わぬ発見と知識に出会うことができました。その記念日にまつわる人や物について、思いを馳せるのも悪くないかもしれません。また、7月25日は自動ドアについて気にして過ごしてみてください。
(取材・文:宮田智也)