ウクライナから神戸に避難してる人たちを支援しようと、神戸市中央区に本社をおく株式会社フェリシモは、プロのバレエダンサーをモデルに起用することを決め、このほど本社がある「Stage Felissimo」でPV(プロモーションビデオ)などの撮影をおこなった。
神戸市は、ウクライナから神戸に避難してきた人の生活支援の一環として就労支援を行っている。今回ダンサーをつとめた4人のうち1人が、モデルとして仕事をした経験があると支援者に相談したのがきっかけとなり、支援者がフェリシモに話を持ち掛け今回の撮影が実現した。フェリシモの社内でも、ウクライナから避難している人をモデルに起用してはどうかというアイデアが、今年4月末ごろには出ていたという。7月に行われた撮影では、神戸国際コミュニティセンター、神戸定住外国人支援センターがサポートした。
モデルとつとめたのは コスツチェンコ・ビクトリアさん(35歳・オデーサ出身)、マラ・ヴァレリアさん(31歳・キーウ出身)、スタロドゥブツェヴァ・イザベラ・アンナさん(22歳・オデーサ出身)、チャバニュク・ボグダンさん(34歳・オデーサ出身)の4人で、昨年4月から10月にかけて神戸に避難してきた。フェリシモのファッションブランド「IEDIT[イディット]」のモデルとして、女性3人は「IEDIT バレエフィット(バレリーナのようにしなやかで美しく、伸びやか&快適な着心地のスーツ)」を、男性(ボクダンさん)は「IEDITスマートテーラードジャケット」と「スマートテーパードパンツ」を着用し、神戸港などをバックにしなやかで華麗なバレエを披露した。ソロのパートはそれぞれが、4人で踊るパートは「みんなでアイデアを出し合って」動きを決めた。
撮影は和気あいあいとした雰囲気の中で行われ、監督は「日本人とは違い、自己表現力がすごい」と感じたという。またフェリシモ・ファッション事業部の千葉大さんは「繊細で美しく、力強いダンスに魅了された」と話す。
撮影後、ボクダンさんは、「面白く楽しかった」、イザベラさんは「いい雰囲気で、4人仲良く、自由に踊ることができた」、ビクトリアさんは「この服は踊りやすかった、よかったです」とコメント。またマラさんは「また一緒にやりたい」とも話していた。そして4人がともに口にしたのは、感謝の気持ちと、ウクライナ、バレエに対する思い。「日本で困ったことがあってもすぐ助けてもらえる。神戸でバレエを続けて、神戸の人にもバレエを通してウクライナの文化を伝えていきたい」と話した。実際にボクダンさんとビクトリアさんは、5月下旬から神戸市内でバレエ教室を開くなどしている。