神戸市西区の草むらで6月、スーツケースに入った男児(6)の遺体が見つかり、殺人、死体遺棄容疑で逮捕された男児の母親らきょうだい4人について、神戸地検は4日、 刑事責任能力の有無や犯行当時の精神状態を調べるため、鑑定留置とした。神戸地裁への請求が同日までに認められた。期間は2024年2月2日までの約半年間。
鑑定留置されたのは、男児の母親にあたる長女A(34)、次男B(32)、次女C、三女D(いずれも30)。いずれも、自宅に監禁されていた女性(57)の実子。
4人は女性を監禁、暴行したとして2023年6月22日に逮捕、さらに男児の遺体を自宅近辺の草むらに遺棄したとして7月13日に再逮捕された。さらに6月17日〜19日、神戸市西区の自宅で、鉄パイプ様の凶器を用いて男児の背中を多数回殴打、殺害したとして再逮捕(3度目)された。
捜査関係者によると、逮捕された4人のうち1人が「(男児に)暴行を繰り返した」また、「次男がスーツケースを用意するよう指示した」という趣旨の供述をしているという。
しかし、4人の供述には、記憶の食い違いがみられるほか、取り調べの際に相手の話に沿う証言をする「迎合性」が認められることなどから、神戸地検は、取り調べ内容が「虚偽自白」とならないよう、犯行時や犯行にいたるまでの精神状態を慎重に見極める必要があると判断したとみられる。