パラ水泳コーチが語る、指導者としての覚悟と挑戦 「関西からパラ水泳を盛り上げて世界へ」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

パラ水泳コーチが語る、指導者としての覚悟と挑戦 「関西からパラ水泳を盛り上げて世界へ」

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 パラ水泳の指導を行う水泳コーチが、パラ水泳をとりまく現状や、今後の目標について語った。

 7月22日放送のラジオ番組『アスカツ!』(ラジオ関西)に出演したのは、株式会社QlassicSの代表で、パラ水泳のコーチも務める柴谷拓耶氏。幼少期から水泳をはじめ、大学卒業後は水泳教室のコーチや非常勤講師として活動し、トライアスロン選手やパラリンピックを目指すパラアスリートから一般のスイマーまで幅広く水泳を教えている。その一方で、マスターズ大会に出場して日本記録を樹立するなど、生涯スイマーとしても泳ぎ続けている。

株式会社QlassicSの代表で、パラ水泳のコーチも務める柴谷拓耶氏

「コーチとして最も苦労したこと」を尋ねられた柴谷氏は、指導する現役パラスイマーの久保大樹氏が東京パラリンピックに向けて練習を重ねていた2019〜2020年を回顧。

「コーチとしてもっと成長していかなければならない」と強く感じたそうで、「(成長することができれば)ただ水泳を教えるだけじゃなくて、いろいろな部分でサポートができる。コーチの経験がそのままプレーヤーにも影響するんだ、と感じました」と当時を思い返した。

 現在もパラ水泳の指導を行うなか、「強化できる練習環境がない」という課題を抱えていることを吐露。「施設の協力を得て環境を整備し、関西からパラ水泳を盛り上げて世界で戦えるパラスイマーを育成していきたい」と今後の目標を語った。

 柴谷氏いわく、パラ水泳であってもプールそのものに特別な設備は必要ではないそう。ただ、プールまでの階段や床が濡れていると、車いすの選手がすべりやすいなどの障がいがあるとも述べた。

 練習環境以外に、資金面にもパラ水泳の課題は存在すると、柴谷氏。パラ水泳の業界規模が小さく、たとえ代表選手になったとしても遠征費用やユニフォーム代を自己負担しなければならない場合が多いという。そのため、クラウドファンディングを通じて、選手の交通費や練習環境確保のほかに栄養面のサポートなど、選手を強化するための資金を募ることを目指しているという。どれほどの規模の出資金が集まるかは未定であると述べたものの、「未来を担うパラスイマーたちのサポートに尽力するつもり」と思いを語った。

 さらに、オリンピックとパラリンピックでは視聴規模が大きく異なることを指摘。そのうえで、「もっと多くの人にパラ水泳への興味を持ってもらいたい」と、柴谷氏は切実な思いを明かした。

 その柴谷氏に対して、アスリートに特化したビジネススクールの学長で、同番組パーソナリティーの中田仁之は「思いはあるから、思いを行動に変える熱量をもって行動することが大事。いい格好をして行動しても伝わらないから、本音で行動しないと広がらない」とエールを送った。

柴谷拓耶氏(写真中央)、番組パーソナリティーの中田仁之(同右)と西岡詩穂(同左)

※ラジオ関西『アスカツ!』2023年7月22日放送回より

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『アスカツ!』(ラジオ関西 毎週土曜午後8時30分~)
アスリートに特化したビジネススクール「Athletes Business United(R)(ABU)」学長の中田仁之とフェンシング元日本代表・2大会連続五輪出場選手である西岡詩穂がパーソナリティ。アスリートをゲストに迎えてさまざまなトークを展開する。
【番組公式Twitter】

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