全国トップクラスのかんきつ生産量と栽培品種数を誇り「かんきつ王国」とも言われる愛媛県。そんな愛媛県には、「みかんジュースが出てくる蛇口がある」という噂があります。かなり昔から囁かれている話だそうですが、真偽のほどはどうなのでしょうか? 愛媛県庁に確認してみました。
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昭和50年代ごろから流れ始めたとされているこの噂。他県の人々が集まる場で互いのお国自慢を語り合った際、愛媛県民は地元ジョークとして「愛媛県の家庭では、蛇口からみかんジュースが出てくる」と返していたそうです。さらに、テレビ番組でジュース工場の果汁タンクに設置されている蛇口型のコックが映ったこともあり、この噂が広まりました(諸説あり)。
「噂の通り、愛媛県にはみかんジュース蛇口が存在しています。民間企業や団体などが県内の観光地などに設置し、運営しています。すべてを把握しているわけではありませんが、主要なところでいうと、松山空港や愛媛県観光物産協会が運営する『えひめ愛顔の観光物産館』などに設置されています」(愛媛県庁)
本当に存在していた「みかんジュース蛇口」。もちろん最初からあったわけではなく、噂が出回り始めてから問い合わせが寄せられるようになったことがきっかけだとか。ポンジュースでおなじみの『株式会社えひめ飲料』が「この噂を実現しよう!」と2007年(平成19年)に蛇口を完成させ、そこから他の企業や団体にも広がっていきました。
都市伝説が実現してしまうほど、みかん愛が強い愛媛県。生産量がもっとも多い「温州みかん」をはじめとし、県内で栽培されている柑橘は40種を超えています。
「愛媛県の柑橘生産量は、長年全国トップクラスです。県のゆるキャラ『みきゃん』も、みかんがモチーフなほど。ですので“愛媛といえば、やっぱりみかん”と多くの県民が認識しています。みかんは県内でも南予という南西部の地方で多く栽培されています。地域内の小・中学校では農家さんをお手伝いし収穫したみかんを学校に持ち寄り被災地などに発送する『愛のみかん運動』を50年以上続けているところもあるんですよ」(愛媛県庁)
さらに、学校の給食ではみかんジュースを使って白米を炊き上げた「みかんご飯」が提供され、地域によっては「みかんずし」や「みかんもち」といった料理もあるようで、幼い頃からみかんとの接点が非常に多いようです。