「もったいない」から生まれた鹿肉使用の無添加ドッグフード 農業高校生が開発、商品化を目指す | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「もったいない」から生まれた鹿肉使用の無添加ドッグフード 農業高校生が開発、商品化を目指す

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 兵庫県加古川市にある兵庫県立農業高等学校動物科学科の生徒が、害獣として駆除された鹿の肉を使用したドッグフードを開発した。

 現在、商品化に向けた支援を呼びかけるべくクラウドファンディングにも挑戦している。プロジェクトに携わる同校3年生の村上心葉さん、連尺野莉蘭さんに話を聞いた。

高校生がドッグフードを開発

 ドッグフードを自分たちの手で作ろうと考えたのは2年前、学校で飼育している犬が皮膚病にかかり、獣医師から日々の食事についてアドバイスされたことがきっかけだった。同時期に、兵庫県内では狩猟された鹿肉の約9割が産業廃棄物として処理されており、それらの有効活用を目的に活動する宍粟市の生産者グループ「しそうの森の贈物 グリーンキーパー」の存在を知る。村上さんは「鹿肉は低脂質・高たんぱくで鉄分も豊富と栄養価がとても高いと分かり、鹿肉を使ったドッグフードを作ろうと考えました」と話す。

愛犬の皮膚疾患がドッグフード開発のきっかけとなった

 ドッグフードのベースとなる食材には、校内で栽培したものの規格外となり廃棄されていた野菜や鶏卵、酒米研究に使った玄米などを使用。春夏と秋冬に分けて旬の野菜も取り入れるなど工夫を凝らした。「犬の健康を第一に考えて、防腐剤や保存料を一切使用しない無添加に。また嗜好性を高めるため、風味の強い鹿肉の配合を何度も変えるなど改良を重ねました」と連尺野さん。校内で飼育している犬や、生徒が自宅で飼っている犬に試食実験を行ったところ、市販のドッグフードを好まない犬もおかわりするほど“好評”だったという。こうしてオリジナルドッグフード「県農Only One Dogfood」が完成した。

完成したオリジナルのドッグフード

 今年秋の商品化を目指して挑戦中のクラウドファンディングで集まった資金は、ドッグフードの原材料費や成分分析費、製造費などに充てる予定だ。支援者へのリターンには、同校で生産している乳酸菌飲料「県農カルピー」や味噌、そして今回開発したドッグフードも用意しているという。村上さんと連尺野さんは「ドッグフードの製造を通して、鹿の命を無駄にせず、また廃棄農産物を活用するSDGsの取り組みにも貢献していきたい。私たちの大切な家族であり仲間である犬の健康を守るドッグフード作りを、ぜひ一緒に盛り上げてください」と呼びかけた。

※ラジオ関西『羽川英樹ハッスル!』2023年8月17日放送回、「ハッスル応援団」より

◆【青春をかけて挑む!】農業高校生がつくる鹿肉ドッグフード~健康と笑顔を届けたい~
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