サッカー・J1のヴィッセル神戸にまた1人、世界的ビッグネームが加わりました。9月3日に完全移籍加入が発表されたのは、元スペイン代表MFフアン・マタ選手(35)です。
ヴィッセル優勝の切り札として注目される背番号64はどのような選手なのでしょうか。そして、今シーズンのヴィッセルのサッカーにフィットできるのでしょうか。マタ選手はプロキャリアの大半をイングランド・プレミアリーグで過ごしましたが、その所属クラブ、チェルシーとマンチェスター・ユナイテッドのサポーターがちょうどラジオ局に1人ずついました! ということで、それぞれのクラブでの印象などについて聞いてみました。
まずはマタ選手が2011-2012シーズンから約2年半過ごしたチェルシーより、ジョゼ・モウリーニョ監督の第1次政権時代から「ブルーズ」をこよなく愛するKさんに聞きました。
■CL決勝で心が折れた“レジェンド”を鼓舞→大舞台で貴重な同点弾をアシスト
チェルシーファンの僕がマタに期待したいのは、「アシストとチームの鼓舞」です。
特に忘れられないのは、2011-2012シーズンの UEFAチャンピオンズリーグ決勝での活躍でした。
クラブ初のビッグイヤー獲得を目指して挑んだバイエルン・ミュンヘンとの大一番、しかも舞台はバイエルンのホームでもあるフースバル・アレーナ・ミュンヘン。拮抗した展開のなか、終盤の83分に先制を許してしまったとき、当時のエースストライカー、ディディエ・ドログバは気持ちが折れてしまったそうです。
しかし、そのとき23歳のマタは「ディディ、信じろ。自分を信じろ」とレジェンドを鼓舞。すると失点から5分後、精度の高い左足からのコーナーキックで、劇的な同点ゴールをアシストしたのです。決めたのは、そのドログバでした。
その後、CL優勝を決めるPK戦最後のキッカーにもなった元コートジボワール代表は、マタから「信じ続ける大切さ」を学んだと語っています。
クラブ初のJ1制覇を目指すヴィッセルで、その戦いにハマるかどうかは未知数なところもありますが、当時のチェルシーも堅守速攻のスタイルでしたし、活路はあるのかなと感じています。そして、苦しい場面が訪れたときには、ベテランとなった元チェルシーの背番号10に、チームを救うアシストと、イレブンへの鼓舞を期待したいです。(※参考:チェルシーFC公式サイト)
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続いては、2014年1月にチェルシーから移籍加入し、2021-22シーズンまでを過ごしたマンチェスター・ユナイテッド時代について、普段からプレミアをよく観ているユナイテッドサポーターのTさんに聞いてみました。
■入団時の印象が強烈! まさに「8番」タイプの選手、FKからのゴールに期待大!
マンチェスター・ユナイテッドでは、チェルシーの倍以上となる約8シーズンも在籍していたんですよね。まさかロンドンの10番がユナイテッドにやってくるとは、当時は思っていなかったです。しかも、そのときチェルシーでマタを冷遇していたモウリーニョが、その後、ユナイテッドで監督になることも……。
最初のマタの印象は強烈でした。入団時に練習場にヘリコプターでやってきたんですよね。チームでは香川真司とも仲が良かったそうですし、人間的にも優れていて、ユナイテッドではキャプテンマークを巻いたこともありました。
ユナイテッドでの背番号が示す通り、まさに8番タイプの選手。ポジショニングが良く、ワンタッチ・ツータッチでさばけて、ビルドアップにも貢献してくれます。2列目・3列目から前を追い越して、裏抜けも可能。1人でグイグイ行くよりかは、周りとの連携で輝く選手という印象です。フリーキックの上手さも忘れられません。どうしてもユナイテッドではデイヴィッド・ベッカムやクリスティアーノ・ロナウドに目が行きがちですが、マタも名手の1人です。