ラグビーワールドカップが9月8日にフランスで開幕、日本は初戦のチリ戦に登場し見事勝利を収めました。サッカー、野球、また先日にW杯が開催されたバスケなど世界には魅力にあふれたさまざまな球技があり、ラグビーも多くの素晴らしさをはらんでいます。ですが、他のスポーツと比べ特徴的なのがボールの形。どこに跳ねるか予測できない『楕円形』のボールはラグビーの面白さを一層盛り上げる要素になっているのではないでしょうか? なぜラグビーボールは球体ではなく楕円形なのか……ニッセイ基礎研究所の研究理事・中村亮一さんに話を聞きました。
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中村さんによるとラグビーが生まれた当時のボールは、球形だったと言います。
「ラグビーの発祥は手と足を使って町と町の対抗戦として行われていた“原始的なフットボール”からだと言われており、ここからルールが定義され、手を使わないフットボールがサッカーに、その一方でボールを手で扱うのがラグビーに分化したのです。ですので、発祥当時はまだ球形でした」(中村さん)。
ラグビーボールが楕円形に変化したことについて中村さんは諸説あることを前置きしながら、最も有力なものとして「昔は豚の膀胱を膨らませそれに牛皮を張り合わせてボールを作っていた」という説を挙げました。
「いざ球形のボールを手に持って走るとなるとボールが重くてプレーがしにくかったことから、靴職人のウイリアム・ギルバート氏が軽いボールの開発を目指すようになりました。試行錯誤を重ねた結果、豚の膀胱は適度の弾力性と軽量性を兼ね備えており、実際に使用してみると楕円形も脇に抱えて持ちやすいことから受け入れられていったようです」(中村さん)
なんと“スティック状”から変化していったという説もあると中村さん。
「中世時代のバトンやフラッグのようなスティックのものから変化した……とも言われていますね。バトンやフラッグは『陣取り合戦のお祭り』で使用されていたようです」(中村さん)
中村さんいわく、どこに跳ねるかわからない楕円形には様々なメリットがあるとのこと。
「楕円形のボールは長軸が回転軸となるように飛ばすことで、球形のボールである場合に比べて安定的に真っ直ぐ飛ばすことができます。また、キックされたボールの回転は観客席から見てもわかりやすいので、ラグビーをある意味で面白くしていますよね」(中村さん)
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開幕したばかりのラグビーワールドカップ。選手を応援しながら、そのボールの跳ねる行き先にも注目しながら楽しんでみては?
(取材・文=宮田智也)