海洋水産技術研究所と神戸大バリュースクールが共同研究開始 カメラ映像解析による早期魚病検出目指す | ラジトピ ラジオ関西トピックス

海洋水産技術研究所と神戸大バリュースクールが共同研究開始 カメラ映像解析による早期魚病検出目指す

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 兵庫ベンダ工業 海洋水産技術研究所(兵庫県姫路市、以下 KAIKEN)と神戸大学バリュースクール(兵庫県神戸市、以下 V.School)は、「カメラ映像の解析による早期魚病検出の検証」に関わるセンシングや飼育環境実験を行うための設備を同大学内に導入し、共同研究を開始すると発表した。

 KAIKENは、スマート⽔産・養殖分野をターゲットにしたテクノロジーや⽣育管理の研究開発に取り組み、V.Schoolは、分野横断的な価値創造教育・研究を支援している。今月7日の発表によると、両者が、神戸大学六甲台第2キャンパス(神戸市灘区)の眺望館地下1階に水産設備を導入。KAIKEN × V.School 水産研究拠点(以下「KAIKEN パラサイト」)として活用する。

KAIKEN パラサイト
KAIKEN×V.School 水産研究拠点「KAIKEN パラサイト」

 共同研究の背景にあるのは、国内での漁業生産量や水産消費が低迷する一方で大きく増加する世界での⽔産消費。近年では、環境に配慮した⽔産資源の確保が急務となっており、国内外での養殖市場が拡⼤しているが、⽣産量の安定化、養殖コストの低減にはまだ多くの課題があるのが現状だという。

 そこで両者が着目したのが、養殖業における課題の1つである「魚病」。魚病は通年で発生し多大な被害をもたらしている。被害を最小限に抑えるためには、生簀(いけす)内の病魚をいち早く採取して迅速に診断する必要があるが、それには労力とコストがかかる。そこで、この共同研究により、新たな魚病の早期発見に向けた技術の開発を行う。

 診断にはカメラ映像とAIを使用。通常の診断と比較して生体に負担をかけず、且つ、病原菌に早期に対処できることから、魚病の蔓延防止につながるとのこと。

 なお、2022年からは、V.SchoolとKAIKENの講座や勉強会、近畿各地でのプロジェクトなどの活動に学⽣も参画している。KAIKENとV.Schoolは、今後、KAIKEN パラサイトを通じて、異分野共創(産学官連携)によるスマート⽔産・養殖の価値創出とグローカルな社会課題解決を⽬指すとしている。

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