第2次岸田第2次改造内閣で初入閣した自見英子(じみ・はなこ)万博担当相が、就任5日目の17日、大阪・関西万博の開催地・大阪市を訪れ、大阪府咲洲庁舎内の日本国際博覧会協会(大阪市住之江区)を訪問した。
咲洲庁舎高層階(50階)から大阪・関西万博の会場となる人工島・夢洲(ゆめしま)を視察し、開催自治体代表の吉村洋文・大阪府知事、横山英幸・大阪市長、石毛博行・博覧会協会事務総長らと意見交換した。
吉村知事らとの会談は就任後初めてとなった自見氏は、「初めて見る夢洲、心が躍るような印象を受けた。地方創生も担当する以上、着任早々目の前の課題を国へ持ち帰り、支えたい。子どもたちが楽しめる、夢と希望のある万博にしたい」とあいさつした。
自見氏は、自身が小学生だった1985(昭和60)年の科学万博(つくば博)の感動が忘れられないという。
そして厚生労働大臣政務官時代(2019年9月~1年間)の2020年2月、新型コロナウイルス感染拡大に伴う、横浜港での大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」での集団感染で3週間にわたる対応をした経験から、「ポスト・コロナの時代、医療、介護、福祉という政策とは別に、コロナ禍で分断された社会で、大阪・関西万博をきっかけに、“つながり”や“絆”を取り戻し、“いのち”そのものを再確認する万博に」と期待を寄せた。
吉村知事は「会場の夢洲は、六甲山や淡路島を海から見渡せる好立地。SNS時代にあって、五感でリアルに未来社会を体験できる万博にするため、国と大阪府・市などが一体となって成功させたい」と話した。
万博の会場建設費をめぐっては、建設資材や人件費の高騰が影響し、1850億円から数百億円上振れして2000億円規模となる可能性が高い。自見氏は、「どの程度のものになるか、具体的な中身を(博覧会協会が)精査している状況だ。そのうえでしっかり対応する」と説明、その時期については明言を避けた。また、海外参加国・地域のパビリオン建設が遅れ、博覧会協会が、簡素化したデザインで建設を代行する案(タイプX)を提案している問題には「博覧会協会は、スペシャリストを配置し、各国とマンツーマンで交渉している。国際博覧会である以上、日本側の条件を提示し、各国で持ち帰って協議をしていただくプロセスをもとに最大限の対応をしている。しっかり推移を見守りたい」と述べた。
自見氏は入閣時、岸田首相から「(万博の準備に)ここ1~2か月が重要」との指示を受けている。そのうえで「開幕まで600日を切り、一刻の後れも取ってはならないという思いで大阪へ来た」と話し、準備の加速を強調した。