「自分の体のことは、自分が一番分かっている」と言う人もいますが、自分の足のことを皆さんはどれだけ知っていますか?
一般的に人の足の小指には3つの関節がありますが、中には2つしかない人もいるそうです。足の小指の関節について、横浜にある「いしずえ整形外科」の院長・大久保俊彦さんに聞きました。
通常、足の小指には指先から「末節骨」「中節骨」「基節骨」と3つの関節があります。しかし、大久保さんが見てきた患者さんの中には、関節が2つしかない人もいるそうです。
ただ、関節の数が少ないからといって、日常生活に支障はないそうです。足を踏ん張るときに力を入れる親指と比べ、小指はそこまで負荷がかかることがないため、指の長さは重要ではないとのこと。また、小指の骨はとても小さく、小指をケガした際など、レントゲンを注視する機会がないと気付かないそうです。
関節の数が少ないということは、それだけ使っていないということ。つまり、不要になった足の小指の関節は『退化』によって、3つから2つになったと考えられるとのこと。
小指の関節の数が少ないことで、日常生活に支障をきたすことはありませんが、一方で、立っているときに足の指が地面につかない「浮き指」は放っておいても治ることはなく、足底筋膜炎(そくていきんまくえん)やモートン病と呼ばれる足の裏に痛みが走る症状などを引き起こしてしまうそうです。
自分の体について、自分では意外と知らないものです。足の健康のためにも、自分の足にフィットした靴を選んだり普段から歩く習慣をつけていきたいものですね。
(取材・文=迫田ヒロミ)