ロボット技術で、より豊かな世界へ ”万能ハンド”の開発進める神戸高専「高齢者らのアバターにも」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ロボット技術で、より豊かな世界へ ”万能ハンド”の開発進める神戸高専「高齢者らのアバターにも」

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 世界中に大きな経済的打撃も与えた新型コロナ。各企業は、“元に戻す”以上に新たな道の開拓を模索している。そこで今年9月、ポストコロナのビジネスチャンスを探ろうと、地元信用金庫が主催する『こうべしんきん ビジネスメッセ 2023』が兵庫県神戸市内で開かれた。

 今シリーズでは、メッセを通じて発信された、兵庫・神戸の企業の独自技術やサービスを全23回にわたって紹介する。最終回(※1)の今回は、神戸市立工業高等専門学校(神戸市西区)。

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 機械工学、電子工学、電気工学、応用化学、都市工学の5学科で構成されている神戸高専。さまざまな研究・開発を発表している同校は、“ビジネス”メッセにも毎年出展している。

神戸高専が開発したロボット
神戸高専が開発したロボット
神戸高専が開発したロボット(撮影:三上公也氏)
神戸高専が開発したロボット(撮影:三上公也氏)

 同校は、色々なものを持つことができる「万能ハンド」の開発を進めている。社会解決につなげたい思いから、四脚ロボットとして壁に登ったり、ドローンとコラボさせたりするなどの活躍ぶりを見せている。

 今回のビジネスメッセでは、万能ハンドが付属した「自立移動作業ロボット」を出展。配膳ロボットをはじめ、これまでのロボットはアーム部分に問題があったが、同校は、独特の樹脂で固定して硬化する仕様を開発。それによって多様なものを掴み持つことが可能になったという。また、力の強弱を数値化することに成功。ロボットが自動的に数値を判断し、力加減を均一に分散する機能を備えた。

 これらロボットの最終的な目的について、同校准教授の清水俊彦さんは「(人と対面で接することのできない)コロナ禍もあった。高齢の方や体の不自由の方々に、ロボットをアバター(分身・化身の意)として使用していただきたい」と話すとともに「このロボットを通じてさまざまな人が社会で働くことができれば、より豊かな世界へとつながると思います」と社会貢献への意欲も示した。

神戸市立工業高等専門学校准教授の清水俊彦さん(写真中央)と、ラジオ関西パーソナリティの三上公也氏(同左)
「自立移動作業ロボット」について説明する、神戸市立工業高等専門学校准教授の清水俊彦さん(写真中央)と、ラジオ関西パーソナリティの三上公也氏(同左) ※こうべしんきんビジネスメッセ会場にて

 また、同ロボットは、片手しか使えない人に合わせてつかみ部分が変化する仕様になっている。AIと連携し、誰もが活用できるように工夫を重ねている。清水さんは「いろんな人がいろんな場面で使えるインターフェイス(=接点、つなぐ存在)になれば」と今後の展望を語った。

※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2023年10月24日放送回より

※1記事内の回数は放送順です。記事の公開は順番が前後する場合があります。

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