平安の古儀を今に 4年に1度の「法華大会」華やかな高僧の行列、微笑ましい童僧の問答 比叡山延暦寺 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

平安の古儀を今に 4年に1度の「法華大会」華やかな高僧の行列、微笑ましい童僧の問答 比叡山延暦寺

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 比叡山延暦寺(滋賀県大津市)で4年に1度、古儀にのっとって行われる「法華大会(ほっけだいえ)」が4日、最も重要な日・中日を迎えた。

「大行道(だいぎょうどう)」高僧が大講堂を一周<2023年10月4日午前 比叡山延暦寺>
延暦寺・大講堂 僧侶が学問研鑽のために論議する道場

 この日、高僧が大講堂を一周する「大行道(だいぎょうどう)」や、得度したばかりの童僧(小学2~6年)による「稚児番論議(ちごつがいろんぎ)」などの儀式が盛大に営まれた。

「稚児番論議(ちごつがいろんぎ)」8人の童僧が勅使へ問答を披露<2023年10月4日午後 比叡山延暦寺>
得度間もない童僧 問答の内容はすべて覚えて臨む

 法華大会は平安時代中期に始まった。天台宗で一人前の僧侶になるための最終試験とされる。受験者の僧侶が、「探題」と呼ばれる高僧から法華経十巻の教えを請う「法華十講」と、その後、夜を徹して行われる僧侶らへの口頭試問「広学竪義(こうがくりゅうぎ)」で構成される。今年(2023年)は10月1日~6日までの6日間で、全国から集まった132人の天台宗僧侶が受験、合否が判定される。

「法華十講」已講(いこう・試験官)・清原惠光師(写真奥)から法華経十巻の教えを請う竪者(りっしゃ・受験者)
「三方の出合い」勅使(写真奥)と高僧2人が輿に乗り、三つの方向から大講堂前に会する儀式

 「三方の出合い」は、新たに探題となった堀澤祖門・三千院前門主ら高僧2人と、天皇の代理(勅使)をつかさどる旧堂上華族(※)の慈光寺靖男氏が、殿上輿に乗って三つの方向から、延暦寺・大講堂の前庭に到着し、入堂した。

 「稚児番論議」は、勅使に伝教大師・最澄の教えや比叡山の歴史を伝える行事。童僧は8人選ばれ(明治時代以前は10人)、昔ながらの問答形式で行われるため、子どもたちは夏休み返上で論議の内容を覚えて披露する。その姿はほほえましく、法華大会での見どころの1つとなっている。

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