大阪・関西万博 海外パビリオン 独自建設断念も スロべニア、災害復旧と資材高騰が影響 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

大阪・関西万博 海外パビリオン 独自建設断念も スロべニア、災害復旧と資材高騰が影響

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 大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)に参加を表明しているスロベニア共和国(ヨーロッパ中部)が、独自のパビリオン建設を断念した。
 資材高騰などで予算が確保できないことが理由で、日本側が建設する共同パビリオン「タイプC」への出展に切り替えるという。スロべ二アは9月中旬、運営する日本国際博覧会協会に伝えていた。
 海外参加国の独自パビリオンの断念が明らかになったのは初めて。このほか、もう1か国が「タイプC」への移行を検討しているという。

大阪・関西万博会場の人工島・夢洲 施設建設、整備が進む <2023年9月7日撮影>
博覧会協会は2023年夏から「タイプA」に該当する56の国・地域に対して、設計を簡素化した「タイプX」への移行を提案 <2023年9月17日撮影>

 スロベニアでは今年(2023年)8月に国内で大規模な洪水が発生し、国内のほぼ3分の2が被災した。このため災害復旧を優先する方針を固めており、建築資材の高騰も重なりパビリオン建設の予算確保が難しくなったという。

 153の国・地域、8国際機関が参加を表明している大阪・関西万博。万博の“華”と呼ばれるパビリオンの参加パターンとして、▼敷地を渡して参加国・地域が自前でパビリオンを建設する独自性が高い「タイプA」、▼日本側が建設したパビリオンを参加国に引き渡し、独自にデザインする「タイプB」、▼日本側が建設した共同パビリオンの一区画を借り受ける「タイプC」の3つのカテゴリーがある。

民間企業・団体のパビリオンや、会場中心部の大屋根(リング)の建設は進む<2023年9月22日撮影>

 海外パビリオンの建設遅れにどう対処するかは、博覧会協会にとって喫緊の課題だ。各国が建設業者との契約交渉が遅れている状況を踏まえ、博覧会協会は2023年夏から、「タイプA」に該当する国に対して、設計を簡素化した「タイプX」への移行を提案している。

 「タイプA」を希望する国・地域は56あり、20か国について建設業者が決まった。このうち、着工に必要な仮設建築物許可を大阪市から得たのはチェコ共和国とモナコ公国の2か国にとどまる(2023年10月5日現在)。
 一方「タイプX」 として建設代行を受け入れたのはアンゴラ共和国(アフリカ南部)1国にとどまっている。

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