「自分ひとりの命ではない」 フリーアナウンサーの笠井信輔 悪性リンパ腫の克服につながった決意 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「自分ひとりの命ではない」 フリーアナウンサーの笠井信輔 悪性リンパ腫の克服につながった決意

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 シンガーソングライターの川嶋あいがパーソナリティーを務めるラジオ番組『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(ラジオ関西、毎月第1・2週日曜午後5時〜)。10月1日の放送では、フリーアナウンサーの笠井信輔さんがゲスト出演。悪性リンパ腫を完全寛解するに至るまでの闘病生活について語った。

フリーアナウンサーの笠井信輔さん(写真左)、番組パーソナリティー・シンガーソングライターの川嶋あい(同右)

 大学卒業後、フジテレビにアナウンサーとして入社。数多くの番組で司会を務めるなか、1999年から2019年までの20年にわたり、『とくダネ!』総合司会でフリーアナウンサーの小倉智昭氏のメインアシスタントを務めた。2019年9月に同社を退職しフリーアナウンサーとしての活動を開始したが、同年12月に悪性リンパ腫に罹患していることを発表。自身のブログを通して壮絶な闘病生活を発信し続け、2020年6月に完全寛解を報告した。

 長寿番組として知られる『とくダネ!』での経験を、「本当に大変でした」と振り返った笠井さん。夜のニュース番組を見てから午後11時ごろに就寝し、翌朝3時には家を出発する生活。20年もの間、毎日3時間程度の睡眠時間で過ごすことは非常に過酷だったものの、「キツかったけど嫌じゃなかったのは、(視聴者の)皆さんが応援してくれていたから」と語った。

 悪性リンパ腫であることが発覚する前、体の異変を感じとった笠井さんは「(小倉さんと)同じ生活をしていた僕も膀胱がんになったんだな」と思い、病院を受診。4か月の検査を経て悪性リンパ腫であることが判明したときには、ステージ4を迎えていただけでなく、遺伝子異常も見つかり脳へ転移しやすいことが告げられた。「通常の治療法では治らない」という医師の言葉に、「死ぬんだろうな」という覚悟と同時に「生きようという気持ちと、あきらめようという気持ちが行ったり来たりした」という。

「死ぬわけにはいかない」、「ジタバタするのはやめよう」。相反する思いを抱えるなかで決意したのは、「発信していくこと」。それから毎日Instagramで闘病の様子を発信していたところ、フォロワー数は300人から30万人へと増加。フォロワーから届いたさまざまな声を目にし、やがて「自分ひとりの命ではなくなってきた」と実感した。

 同じ病に悩む人、抗がん剤治療に取り組んでいる人、その家族。そんなフォロワーたちを失望させないためにも、「絶対に帰らなければならない」と思うようになったという。この経験を通し、「人と人とのつながりや、『自分ひとりで戦っているんじゃない』と思うことはとても大事なんだと感じた」と明かした。

 現在、さまざまな悩みを抱えるリスナーに向けて、笠井さんはこのようにメッセージを送った。

「闘病生活を乗り越えるにあたって、精神的支柱となる言葉がありました。それは、『引き算の縁と足し算の縁』。人間というのは、最低最悪の状況でもその状況で出会ったモノ・コト・ヒトを大事な縁として力にして前に進んでいく力がある、ということを東日本大震災の被災地で教わった。自暴自棄なところから、つながりを求めて前に進んでいく自分に切り替えることが、人間にはできるんです。あきらめずに、“スイッチを切り替えられる自分”を探してほしい」(笠井さん)

【この日のリクエスト曲】
宮崎奈穂子『がんばらない日Part2』

フリーアナウンサーの笠井信輔さん(写真右)、番組パーソナリティー・シンガーソングライターの川嶋あい(同左)

※ラジオ関西『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』2023年10月1日放送回より


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『明日への扉〜いのちのラジオ+〜』(パーソナリティ:川嶋あい)
【番組公式ブログ】



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