“日本人の果物離れ”が叫ばれて久しい状況です。国の「令和元年国民健康・栄養調査」によると、日本人の1日あたりの果実類摂取量は平均およそ100グラムで、100グラム未満しか摂らない人の割合は61.6%でした。農林水産省では、果物を毎日200グラム食べようと呼びかけていますが、ほとんどの人がその半分以下しか摂れていないのが実態です。
そんな中、旬の果物を気軽に楽しめる“フルーツカフェ”が注目されています。神戸のフルーツカフェのオーナーに取材しました。
2004年に神戸市西元町駅近くにオープンした『fruit cafe Saita! Saita!』は、神戸中央卸売市場の青果店で働いた経験を持つオーナーの採田賢志さんが、「おいしいフルーツを発信する場所をつくりたい」と開業しました。
市場の青果店で培った目利きを活かし、甘さや酸味、柔らかさなどを吟味した選りすぐりの果物を仕入れ、新鮮なフルーツジュースやパフェ、フルーツサンドを提供しています。
店名に入っている“フルーツカフェ”という言葉は採田さんのオリジナル。「毎日コーヒーを飲むように、日常にフルーツを取り入れてほしい」との思いがある中、「『フルーツパーラー』ではやや高級なイメージで入りづらい、ただの『カフェ』では伝わらない」と考えて生んだものだそう。
採田さんによると、「季節のフルーツパフェ」は店の一番人気とのこと。底まで果物がぎっしり詰まった店主自慢のメニューといいます。ふんだんに盛り込んだ5種類以上の旬のフルーツが、自家製ソルベとバニラアイス、生クリームでまとめられています。生クリームの甘さをあえて控えめにしているのは、フルーツ本来の風味や自然な甘さを存分に感じてもらえるよう意識してのひと工夫だそう。
また「フルーツサンド」は、脂肪分控えめのあっさりとした生クリームと、小さめのサイズにカットした5種類の旬のフルーツを柔らかい食パンでサンド。市場の青果店勤務以降積み上げてきた経験から、“フルーツを一番おいしく食べるために計算し尽くしたバランス”だそうです。
食パンの耳をあえて一部残すのは、フルーツとクリームの甘みに香ばしさをプラスするため。採田さんは「食べ応えのあるフルーツサンドに仕上げた」と胸を張りました。
旬の果物を取り入れることも心掛けているといい、取材時(9月下旬)にはいちじくや柿、ぶどうなどがそろっていました。(提供されるフルーツは、季節や仕入れの状況によって異なります)
季節の訪れを果物で感じる暮らしができれば、自然と“毎日200グラム”を食べられるのかもしれませんね。
※ラジオ関西『Clip火曜日』2023年9月26日放送回より
■「fruit cafe Saita! Saita!」
所在地:兵庫県神戸市中央区相生町1丁目1−15
営業時間:平日11:30〜18:30(L.O.18:00) 土日祝11:30〜17:30(L.O.17:00)
定休日:火曜•水曜
公式ホームページ