"日本酒造り"をテーマに、灘五郷の酒造りの歴史に触れながら灘の酒を楽しめるイベント「灘の下り酒物語 From KOBE」が、29日、神戸ハーバーランド・高浜岸壁(神戸市中央区)で開催される。現代版「樽廻船」の出発式や酒造り唄の実演、灘の酒の有料試飲会などが行われる。
江戸時代後期、六甲山からの自然の恵みを活かした技術革新により、現代の酒造りの礎を築いた灘五郷。その品質の良さから、樽廻船で運ばれた灘の酒は江戸で人気を博したという。酒蔵では現在も当時と同じ製法で日本酒が醸されており、兵庫県の清酒生産量は日本一である。
今イベントでは、その歴史を体感できる。内容詳細は以下の通り。
【現代版樽廻船が東京に向けて出船(正午~)】
江戸時代に神戸・西宮から江戸まで酒樽を積んで日本酒を運んだ樽廻船を再現。風の力で東京まで酒を運ぶ。
【馬がひく大八車で日本酒を運ぶ(正午~)】
江戸時代から昭和にかけて、日本で荷物の輸送に使われていた大八車。現代版樽廻船の出発にあたり、馬がひく大八車で日本酒が運ばれる。出船式後は、馬車や馬のえさやり体験で馬に触れあって楽しめる。馬車体験は一回500円(1グループ4人まで)、えさやり体験は一回100円。
【酒造り唄合唱(午後2時30分~)】
酒蔵では、酒造りの作業の工程が唄になった「酒造り唄」が歌い継がれてきた。蔵によって節が微妙に異なるため、合同での合唱はこれまでおこなったことがないとのこと。今回は、灘五郷の酒蔵有志によって初の合同合唱をおこなう。
【菰樽(こもだる)ワークショップ】
尼崎の地場産業として発展してきた菰樽づくり。樽廻船で江戸へ送るときに、酒樽を保護するために梱包材として菰が使われるようになり、菰樽が誕生した。菰樽を作る会社は全国で3社。そのうちのひとつである株式会社岸本吉二商店による菰樽絵付け体験や菰巻実演を実施する。絵付け体験は有料(1800円~)。
【灘の酒有料試飲会】
大関や白鷹をはじめとする各社の酒を飲み比べできる有料試飲会を実施。チケットは5枚つづりで500円。当日会場で販売する。
午前11時から午後4時。入場無料。事前申し込みは不要。詳しくは、灘五郷酒造組合の公式サイトで確認できる。