サッカー・J1で首位のヴィッセル神戸は、21日に行われたJ1第30節の鹿島アントラーズ戦で3-1と勝利し、今シーズン2度目のリーグ戦3連勝を達成。勝点を61に伸ばしました。同日、2位の横浜F・マリノスが勝利したため勝点差4は変わらず、最短での優勝の可能性は11月12日の第32節浦和レッズ戦となりましたが、クリムゾンレッドは悲願のJ1制覇へ一歩前進しました。
今回の東京・国立競技場でのヴィッセル初となるJ1ホームゲームについて、23日放送のラジオ番組『GOGO!ヴィッセル神戸』(ラジオ関西)内のマッチレポートで特集。日刊スポーツ記者の永田淳さんをゲストに迎えて当日の現場の様子などを伝えました。
永田さんは以前、サッカー専門誌「エル・ゴラッソ」記者としてヴィッセルを担当した経験を持つ元サッカーライター。当時、選手として活躍していた大久保嘉人氏や現監督の吉田孝行氏らをはじめとする選手、チームの様子を丹念に取材し、ヴィッセルのファン・サポーターにもおなじみの存在でした。その後、いったんはメディアの現場から離れますが、サッカー関係者とのつながりは保ち、また少年サッカーの指導者や日本アンプティサッカー技術委員会委員長を務めるなど、サッカーに関わる活動を継続。そして今年から再びメディアの一員として、サッカーなどスポーツの現場で精力的に取材をしています。
今シーズン快進撃を続けるヴィッセルについて、永田さんは、「不思議な感じがありますね。一桁順位を目指すとか、(J1に)残留したいとか、そういうところを知っていたので、違和感というか、昔とは違う雰囲気があります」と、感慨深げにコメント。また、「今回、国立に行って、東京のメディアの人とかと話をしていると、『本当に強い』という観られ方をしているんだなと、改めて感じたところはあります」と、周囲の見方から、改めてヴィッセルの強さを実感するといいます。
今回、ヴィッセルのホームゲームは国立開催。その様子については、「東京でホーム戦というのはどんな雰囲気になるのかと思っていたのですが、たぶん相当準備されて、(ユニフォーム)シャツを4万枚配ったりとかもあって、観客も5万人以上入り、雰囲気としてはすごくいい感じになっていました。鹿島側も(サポーターが)けっこう来ていましたが、ホームの感じは出ていたように思います」と、クラブ史上ホーム最多の5万3444人の大観衆を集めたスタジアムは、クラブの入念な準備などもあって、大いに盛り上がったよう。
昨シーズンはヴィッセルでプレーし、現役引退後の今年はエバンジェリスト(伝道師)としてヴィッセルに関わる槙野智章氏の「前代未聞な」右足パントキックによるキックインセレモニーからスタートした一戦。試合は終始、ヴィッセルのよさが際立つ展開になりました。「開始直後はちょっとバタバタしているように見えたのですが、どんどん時間が経過するにつれて、動いて、ボールをいい形で奪って、攻めるという、いつものよさが出て、終始ペースを握れたかなという感じでした」(永田さん)。
勝利の立役者となったのは、2ゴールを決め、目標に掲げていた今シーズン7得点をこの一戦で達成したMF佐々木大樹選手と、J1初ゴールを決めるなど1得点1アシストの活躍を見せたMF井出遥也選手です。
「得点以外も含めて、井出選手と佐々木選手が素晴らしかった。すごく存在感があり、いい仕事をしていたなという印象」と永田さん。「相手からすると、前に大迫(勇也)選手や武藤(嘉紀)選手がいて、そこをまずケアしなきゃいけないというのがあると思いますが、その2人以外でもこれだけやれると、相手としてはかなり困っただろうなと、見て思いました」と絶賛。さらに、井出選手のプレースタイルの変化や、佐々木選手の奮闘の様子など、2人のコメントを交えながら、チームへの貢献度の高さについても言及しました。