三木市の仲田一彦(なかた・かずひこ)市長が、25日、ラジオ関西の生番組に出演し、「金物をはじめ、酒米『山田錦』やゴルフ場、乗馬、防災拠点など、ここにしかないものがたくさんある。都会に近い田舎『トカイナカ』で住みやすいまち」と、市の魅力について語った。
三木市は、兵庫県の南東部に位置し、北は加東・小野、南に神戸、東は三田、西は加古川の各市と隣接。日本最古の「金物のまち」として知られている。また、日本酒の原料である酒米「山田錦」は、質・量ともに日本一の産地。そして仲田市長が特徴の3つ目に挙げたのがゴルフ。「西日本で一番ゴルフ場の数が多い。25ヶ所あり、おそらく全国でここだけだと思うが、市役所に『ゴルフのまち推進課』という部署がある」と話し、三木市内で中学・高校ゴルフの春の全国大会が開かれていることを紹介した。
三木は「防災のまち」でもある。阪神淡路大震災を契機に、兵庫県全体をカバーする広域防災拠点である、三木総合防災公園・兵庫県広域防災センターが作られた。国の地震実験施設「Eーディフェンス」が2005(平成17)年に建てられ、さらに今年6月、その隣に大型の試験施設「Eーアイソレーション」が完成。震災で三木市の被害が少なかったことや、風水害なども比較的少ないことから立地したもので、仲田市長は「『災害が少ないので引っ越してきた』という方もおられて、私も驚いている」と話した。また、市内に中国自動車道や山陽自動車道、舞鶴若狭自動車道が通り、インターチェンジは現在3ヶ所、今後もう1ヶ所できることから「三木は交通の要衝とも言える」と利便性を語った。
三木市の魅力について聞かれた仲田市長は、週刊誌「女性自身」の「住みやすいトカイナカ」ランキングで、2021年に大阪圏で2位になったことを紹介した。「トカイナカ」とは、都会に近い田舎、都会と田舎の中間、という意味がある。仲田市長は「私も住んでいて感じるが、豊かな自然がある一方で、車で神戸まで40分、大阪も1時間で行ける。都会に近い田舎という表現が素晴らしいなと思っている」と話した。また「三木ホースランドパーク」も市を代表する施設のひとつ。「馬術の世界大会もよく行われているし、三木市の小学5年生は自然学校でホースランドパークを利用している。児童全員が馬と触れ合えて、こんな市は他にあまりないのではないか」とした。
今後の市の取り組みについては「来年7月に、三木の市政施行70周年という節目の年を迎える。これを盛り上げていこうと、市内の祭り屋台を1ヶ所に集める予定。ふるさと納税も募集しており、祭りが好きな市外の方にも応援してもらいたい」と話した。
また、三木市は今年5月、内閣府に「SDGs未来都市」に選ばれた。持続可能な開発実現を目指す一環として、三木市青山7丁目で町の再生プロジェクトが進められている。仲田市長は「オールドニュータウンと呼ばれる地域では、一気に高齢化が進んでいる。次々と開発するのではなく、順次住み替えていただくことで町の循環を作ろうという仕組みづくりをしている。三木で成功すれば、全国に広がる」と期待を寄せた。
さらに、温泉や直売所が併設された「山田錦の郷」を、令和7(2025)年に「道の駅」にするため、駐車場の拡幅や施設のリニューアルも予定されていて、住む人にも訪れる人にも、魅力あるまちづくりが進められている。