大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)の会場建設費の上振れをめぐり、自見英子(はなこ)万博担当相と運営主体・日本国際博覧会協会の幹部(副事務総長ら)が28日、大阪市内で会談した。
博覧会協会は20日、想定を上回る資材価格や人件費の高騰により、会場建設費を当初から500億円上乗せして(約1.9倍)、最大で2350億円となる試算結果を国と大阪府・市、経済界に報告した。
建設費については、政府と大阪府市、経済界で3分の1ずつ負担することになっている。今回の試算により、3者の負担額は各約780億円と、167億円程度膨らむ。
会談は急きょ設定された。 約3時間、会場建設費の上振れの要因や、多岐にわたる会場整備の進捗状況などについて意見交換した。
自見氏は会談後、 具体的な協議内容について言及を避けたが、 「国費を投入する以上、国民への説明責任がある。(自身が)これらの詳細を理解しなければ(追加負担について)判断できない。理解が深まった協議内容は、西村康捻経産相をはじめ関係閣僚と共有し、政府としての考え方を取りまとめたい」と述べた。
岸田文雄内閣は総合経済対策について、11月2日にも閣議決定する方針で、増額分の一部は2023年度補正予算案に盛り込む方向で調整しているという。自見氏は今後の予算措置についてのスケジュールは明言しなかった。
増額をめぐっては、経団連や関西経済連合会が受け入れる方針を示しているが、大阪府・市は27日に行われた博覧会協会との協議で、増額分の具体的な積算根拠を提示するよう求め、厳格なコスト管理を求めている。