宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)・宙(そら)組に所属する劇団員の女性(当時25歳)が2023年9月に転落死した問題で、歌劇団は14日午後に会見を開き、弁護士による外部調査チームが死亡への経緯などに関わる調査結果を公表する。
関係者によると、「劇団員らに対する十分な精神的ケアがなかった」などという、歌劇団側の業務管理上の問題を挙げたとみられる。
これに先立つ10日、遺族側の代理人弁護士が東京都内で会見し、「1か月の労働時間が277時間に達する過重労働や、上級生からパワーハラスメントの被害を繰り返し受け、心身の健康を損ない、自死につながった」と主張し、歌劇団や運営する阪急電鉄に対し、事実関係の公表や責任を認めて謝罪することなどを求めた。
女性は9月30日朝、宝塚市の自宅マンションの敷地内で倒れて死亡しているのが見つかった。兵庫県警は、その場で第三者が関わった痕跡がなかったことから、飛び降り自殺を図った可能性が高いとみている。
歌劇団は、劇団員ら約60人からの聞き取りなどから女性が死亡した経緯や背景を調査していた。そして10日に調査チームからの報告書を受領したという。
そのうえで翌日、「課題に対して真摯に向き合い、変えていくべきものについては全力で改革に取り組む」とコメントしていた。