宝塚歌劇・劇団員転落死「救えず、管理責任感じる」理事長引責辞任も「いじめ確認できず」遺族は憤り | ラジトピ ラジオ関西トピックス

宝塚歌劇・劇団員転落死「救えず、管理責任感じる」理事長引責辞任も「いじめ確認できず」遺族は憤り

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 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の劇団員の女性(25)が9月末に転落死した問題で、歌劇団は14日午後、同市内で緊急会見を開いた。

会見に先立ち、謝罪と哀悼の意を込め頭を下げる(左から)井塲睦之理事・制作部長、木場健之理事長、村上浩爾専務理事<2023年11月14日 午後4時03分 兵庫県宝塚市>

 女性は9月30日朝、宝塚市の自宅マンションの敷地内で倒れて死亡しているのが見つかった。兵庫県警は、その場で第三者が関わった痕跡がなかったことから、飛び降り自殺を図った可能性が高いとみている。

■いじめ、ハラスメントは確認されず…

 会見では歌劇団の木場健之(こば・けんし)理事長らが、外部の弁護士9人による調査チームの報告書について説明した。報告書では「個人へのいじめやハラスメントは確認できなかった」と結論付けた。

 そして「社会通念に照らして、不当とはいえないと評価されている」とした。

 一方で木場理事長は「(亡くなった)女性に対する適切なサポートや心情の寄り添いができなかった。舞台にかける思いを、劇団として吸い上げることができなかったことに(運営する阪急電鉄を含めて)管理責任を感じる」として、12月1日付で引責辞任する意向を示した。

 さらに運営側の阪急阪神ホールディングス代表取締役会長・角和夫氏の報酬を、3か月間25%減額するなどとした。

 そして、遺族が代理人弁護士を通じて指摘した「見て見ぬふり」という批判に木場理事長は「真摯に受け止める。強い危機感を持って取り組みたい」と述べた。

 遺族が指摘しているのは、亡くなった女性が、▼上級生から暴言などのパワーハラスメントの被害を繰り返し受けたこと、▼死亡する前日までの1か月間(8月31日~9月29日)の総労働時間は437時間35分と、時間外労働は国の精神障害の労災認定基準(極度の長時間労働・160時間)を大きく上回る277時間に達していた点。

調査報告書の一部 女性が上級生にヘアアイロンを当てられた件についての考察

 報告書では、この指摘との食い違いも多く見受けられた。

 週刊誌が報じた、上級生がヘアアイロンを女性の額に当ててやけどを負わせたことについて報告書では「故意だとは確認できなかった」と指摘。

 また、劇団員へのヒアリングで上級生から女性に対して「うそつき野郎」「やる気がない」「マインドがないのか」といった発言、暴言があったとの指摘もあったが、「いずれも伝聞である」などとして認定しなかった。

 さらに時間外労働について、歌劇団側は118時間以上としており、遺族側の指摘する277時間とは大きな差がある。

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