今月23日、プロ野球・阪神タイガースとオリックス・バファローズのリーグ優勝を祝うパレードが、兵庫県と大阪府で連携開催されました。
「ものすごい盛り上がりとなるだろうけれど、果たしてどんな盛り上がりを見せるのか?」と、選手ではなくパレードを見にくるお客さんを目当てに大阪会場となった御堂筋沿いに行ってまいりました。
午前11時、まずはオリックス・バファローズのパレードが淀屋橋駅付近からスタート。念のため午前8時には到着していたのですが、周辺には明らかにパレードを見にきたであろう人たちが。トラ模様を身につけた人やバファローズのユニホームを着た人が、まるで平日の通勤ラッシュ並みに、いや、それ以上かもしれません。人・人・人……。改札口付近が人でごった返していました。
その後、時間とともに人は増え、やがて御堂筋の両隣の筋にまでわんさかあふれていきました。「どこでパレードを見ようか」と悩む人の波は、淀屋橋から心斎橋手前までの約1.7キロメートルを南に向けて大行進。もはや違う意味でのパレードが始まっていました。
訪れた人々に話を聞いてみたところ、近畿圏はもちろんのこと、「北海道から来ました~」「宮崎県からです~」なんて人も。なかには、「カルホルニア(カリフォルニア)~」という声もあり、世界中から集まっていることがわかりました。
私調べによりますと、阪神では近本光司選手、バファローズでは山崎颯一郎選手の応援に来たという人が多い模様。次いで名前が挙がったのは、阪神の岡田彰布監督。皆さん口をそろえて「アレのアレできたんは、岡田さんのおかげ。ありがとうって言いたい」と言うてはりました(関西人特有のアレ・アレ構文!)。
さて、一旦心斎橋へと移動してきました。お昼を過ぎたあたりからさらに大混雑となり、心斎橋筋商店街は、買い物をする人たちとパレードを見ようと北に向かう人たちでおしくらまんじゅう状態。
一時騒然となり、もめ事も起きてしまうのではとそわそわ。そこで「すごいなあ」と思ったのが、買い物をしている人たちが「パレードのためだったら」と道をゆずってくれていたこと。「(パレードは)見に行かへんけど、私らもうれしいから」と……。めちゃくちゃホッコリしました。
午後2時にスタートした阪神のパレードでは、ゴール手前の御堂筋へ向かう通りに入行制限がかかるほど。もう前には進めないってくらいに人であふれ返っているなか、「少しでも見たい」という人たちが100メートルも離れた場所で待機しているんです。
はっきり言って、100メートルも離れていると前にいる人たちが多すぎてなんにも見えないんですよ。それでもみんな待っているんです。なんとかして子どもに見せてあげようと肩車をしている親御さんや、私の目の前には人波にもまれながらポツンと立つおばあちゃんが。
おばあちゃんに「どうしたん?」と声をかけてみると、返ってきたのは「うれしいねん」という言葉。「こうやってタイガースが日本一になるのは38年ぶりやろ。パレードが見えなくても、生きているうちにこうやって一緒に喜べていることがありがたいねん」と、しみじみ語ってくれました。