デジタル化が進んだ現代、紙に触れる事は一日に何回あるでしょうか。新聞を読む時? 学校や職場でメモをとる時? パソコン中心で全く触れない.....なんていう人も意外と多いのではないでしょうか。
仕事や学業において、昔よりも使う機会が減ったとはいえ紙はまだまだ重要な存在です。そこで“規格”などを含めたアレコレについて、日本製紙連合会に聞いてみました。
紙の規格サイズは様々ですが日本で最もよく使われるのが「A判」「B判」。これにはどのような規定があるのでしょうか。
日本製紙連合会によると、A判は元々ドイツ国内で使われていた規格で、現在の国際規格にもなっているそう。基準のサイズ「A0」では縦と横の比率が1:ルート2かつ面積が1平方メートルになっており、この長辺を半分にしたものが「A1」さらに長辺を半分にしたものが「A2」とされています。要はA0を基準として長辺を半分にする度に「A1」「A2」「A3」「A4」と数字が大きくなっていくのです。
一方、B判は江戸時代から障子などに使われていた美濃紙(みのがみ)の大きさを元にして定められた“日本独自の規定”なのだそう。これも縦と横の比率が1:ルート2で面積が1.5平方メートルのサイズを「B0」として長辺を半分にするごとに「B1」「B2」「B3」「B4」となっていきます。国際規格にもB判は存在しますが、日本既定のB判とは別物なのだそう。
ちなみにA判・B判ともに縦横比は「1:ルート2」ですが、これは半分に折っても縦と横の比率が変わらない「白銀比」と呼ばれ、法隆寺の金堂など日本の歴史的建造物にも多く利用され古くから「日本人が惹かれる比率」とされているそうです。
様々なサイズがあるにも関わらず、なぜ正式な書類やコピー機での印刷などで多く利用されるのは「A4」なのでしょうか?
「正式な書類など、ビジネスシーンで使われる規格は基本的に「A4」サイズですが、これは1993年から国の各省庁で扱う行政文書を原則A4に統一しよう、という取り決めが行われた事がきっかけなのです。それまで各省庁でもA判を使ったりB判を使ったりと、紙のサイズがバラバラでした。全ての文書をA4に統一する事で文書管理事務の効率化や民間負担の軽減などを目的にしたのです」(日本製紙連合会)
このような経緯で国の規定がA4に統一された事によって、次第に民間企業でも正式書類などはA4サイズで作成されるようになり、今ではほとんどがA4になりました。とはいえ、昔の名残で地方自治体のとある文書が今でもB判サイズということもあるそうです。
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紙の規格以外にも、様々な物の“基準”を調べてみるとおもしろいかもしれませんね。
※ラジオ関西『Clip』2023年12月12日放送回より
(取材・文=濱田象太朗)