島根県でハンコの製造販売を行う永江印祥堂が先日、公式Xにおいて投稿した印鑑に関する投稿が話題となっています。
投稿の内容とは「実は“印鑑=ハンコ”では無い」というもの。いったいどういうことなのでしょうか。詳しい話を永江印祥堂に聞きました。
☆☆☆☆
11月29日の「#いいにくいことをいう日」に永江印祥堂の公式Xアカウント(@nagaeinsyoudou)は「実印登録した印章を印鑑と呼び、本体の方は印章というのが正式名称です」と投稿しました。「印鑑=ハンコであり、ハンコの正式名称が印鑑」と考える人も多いと思うのですが、これはどうやら間違っている考え方なのだそうなのです。
永江印祥堂によると、本来は「印章=ハンコ」であり、押印して紙に残る印の形を「印影」、実印登録された印影を「印鑑」と呼ぶのだそう。しかしながら印鑑=ハンコという認識は既に広まっており、永江印祥堂も「ハンコ業者の間では常識ですが、一般的にはあまり知られていないことではあります。ただ、現在は全てをひっくるめて『ハンコ』と呼べば伝わりますし間違いありませんのでそれで良いと思う」とも。
また「みなさんに知って頂きたい話」として“ハンコ離れ”についてもXにて言及。「脱ハンコで大変だね.....と言われるが、実際は脱ハンコの取り組み自体より脱ハンコによる“ハンコは要らないんじゃない?”という風評被害がハンコ屋に影響を与えているのが現状」とのこと。
実際のところ、脱ハンコのイメージからハンコ注文は減っていると永江印祥堂。昭和世代であれば卒業式にハンコを貰うのはわりと当たり前だったと思いますが、現代では「ハンコは今後必要無い」と批判されることを恐れ、卒業記念品としてハンコの注文を控えるケースも増えているようです。
「確かにハンコを使用する場面は減っていますが、現在も実印など登録印が必要であることには変わりはありません。風評被害からそういった大切な思い出に残る場面も無くなってしまうのは悲しい事だと感じます」(永江印祥堂)
☆☆☆☆
押印する機会が減っているとはいえ、日本ではまだまだ重要な場面では必要とされるハンコ。自分のハンコをいちど見直してみるのもいいかもしれませんね。
(取材・文=宮田智也)