大阪・新世界のシンボル「通天閣」(大阪市浪速区)で年末に行われる恒例行事「干支(えと)の引き継ぎ式」。27日午前、4年ぶりに一般公開された。
1956(昭和31)年から続く「干支の引継ぎ式」は、その年と翌年の干支にちなんだ動物がステージで対面して、世相を踏まえたダジャレの『口上』が披露され、観客の笑いを誘う年の瀬の風物詩。今年で68回目となる。
新型コロナウイルス感染拡大前は通天閣地下1階の特設ステージで開催されていたが、コロナ禍ではイベントとしては中止していた。
2020年は『口上』のみを公式サイトで発表した。そして2021年は例年とは少し変わった趣向で、天王寺動物園・トラ舎前で「干支の引き継ぎ式」を撮影し、ウシ(丑)とトラ(寅)の着ぐるみが引継ぎ式に臨んだ。
昨年(2022)年も、無観客の天王寺動物園でトラ(寅)とウサギ(卯)の着ぐるみが引継ぐ様子を撮影した。
いずれも、『口上』は動画サイト・YouTubeチャンネル“TsutenkakuTV”で公開された。
今年は、クラブ創設30周年を迎えたサッカー・Jリーグのセレッソ大阪より代表取締役社長・森島寛晃さんと、記念アンバサダー・大久保嘉人さんをゲストに迎え、4年ぶりの“リアル開催”に。
ウサギはセレッソのスタッフのペット(ホーランドロップ)。タツ(タスマニアンポニー)は鹿児島県「タツノオトシゴハウス」からやって来た。動物も4年ぶりにリアルの登場となった。
注目の『口上』は、まず通天閣観光・西上雅章会長が今年(2023年・卯年)を振り返り、「プロ野球・オリックスのリーグ3連覇、阪神の18年ぶりリーグ優勝など、ピョンピョン跳ねたい嬉しさの反面、ガソリン代、電気、ガス、食料品と、長い耳をウサギ(塞ぎ)たくなる話題が多かった」と嬉しさと不満をぶつけると……。