2023年のスポーツ界は、印象深い出来事が多くありました。その昨年を踏まえつつ、2024年の注目ポイントについて、関西・兵庫県ゆかりのチームや選手などを中心に見どころをお伝えします。
「昨年は野球で始まり、関西の野球で終わったという印象」と話すのは、ラジオ関西の林真一郎アナウンサー。昨年3月には、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で大谷翔平選手らを擁する侍ジャパン(野球日本代表)が3大会ぶり3度目の優勝を達成。一気に球界が活性化すれば、プロ野球では阪神が18年ぶりにセ・リーグ制覇、オリックスはパ・リーグ3連覇を果たし、日本シリーズでは59年ぶりの関西対決が実現。7戦までもつれた激戦の末、阪神が38年ぶりの日本一に輝きました。
一方で、オフシーズンには2024年に向けての新たな動きも。近年のパ・リーグを牽引するオリックスは、絶対的エースの山本由伸投手が大リーグのドジャースに、先発の柱の1人だった山崎福也投手(「崎」=たつさき)が日本ハムに、それぞれ移籍。昨シーズンだけでも2人合わせて27勝していたこともあり、その穴を名将・中嶋聡監督がどう埋め、投手王国を継続できるかも注目されます。兵庫県出身選手では、2023年に大きく飛躍を遂げた東晃平投手(小野市出身、神戸弘陵学園高校卒)のさらなる活躍にも期待が高まります。
また、昨シーズンは岡田彰布監督のもとで安定した強さを見せた阪神は、初の連覇がかかります。そのキーマンとなりそうなのは、日本シリーズの最高殊勲選手(MVP)にも選ばれたチームのリードオフマン・近本光司選手(現・淡路市出身、県立社高校卒)と、虎の主砲の1人・佐藤輝明選手(西宮市出身、仁川学院高校卒)という、こちらも地元・兵庫県出身の選手たち。「地元選手が出てきて、打つ人が打ち、守る人が守り、投げる人が投げるとやはり強いと思った」と林アナは昨年の活躍を回顧。セ・リーグMVP&新人王のW受賞となった村上頌樹投手(現・南あわじ市出身)を含めて、熱烈なファンの後押しを力に、今年も兵庫にゆかりのある選手たちの躍動が猛虎を牽引するでしょう。
サッカーでも、昨年、関西が活気づきました。ヴィッセル神戸がクラブ創設29年にしてJ1リーグ初優勝を達成したのです。7月には大黒柱だった元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ選手の退団もありましたが、選手・スタッフとしてクラブを長きにわたって支えてきた吉田孝行監督(川西市出身、滝川第二高校卒)のもと、チームは一致団結し、見事に栄冠をつかみとりました。
1995年に産声をあげ、初練習を予定していたその日に阪神・淡路大震災に見舞われながら、まちの復興とともに歩み、幾多の難局を乗り越えてきたヴィッセル。J1王者として臨む新シーズンでは、3度目のACL(AFCチャンピオンズリーグ)にも挑戦。アジアナンバー1を目指します。
そのほかにも、2024年は兵庫県を拠点に活動するスポーツチームの躍進が期待される年です。リーグ制覇と皇后杯優勝の二冠を目標に掲げる女子サッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサ、日本代表の具智元選手らを擁してリーグワン初優勝を目指すラグビーのコベルコ神戸スティーラーズ、宮部藍梨選手や井上愛里沙選手といった日本代表勢を揃えてトップリーグ返り咲きへまい進中のバレーボール・Vリーグ2部女子のヴィクトリーナ姫路、神戸に本拠地を移して1部昇格に挑んでいるバスケットボール・Bリーグ2部の神戸ストークスなども、阪神・オリックス・ヴィッセルに続いていきたいところです。