1月1日、最大震度7を観測した石川県・能登半島を震源とする地震では、これまでに最大震度5クラスの揺れが断続的に起きている。富山県、新潟県と広範囲にわたる。
また、気象庁によるとこの地域で観測された震度1以上の有感地震は1日~5日13時までに819回あったという。
日本地震学会会員で「はりま地盤・地震研究会」代表の西影裕一さん(兵庫県姫路市)が、1月4日~5日に富山県西部の氷見市に入り、被災の様子を取材した。氷見市は1日、震度5強を観測した。
震源に近い石川県への交通手段の確保は困難だったという。その様子を2回に分けてお送りする。
(※記事中の画像は富山県氷見市内、西影裕一さん提供)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
能登半島では2000年頃から、大きくはないが頻繁に地震が起きていた。これを「群発地震」と呼ぶが、一昨年(2021年)6月19日に最大震度6弱、マグニチュード(以下M)5.4の地震が起きた。
昨年(2022年)5月5日には最大震度6強、M6.5という大規模地震が起きた。この2つの地震についてはすでにラジトピで取材、報告している。
しかし、昨年の段階で私は「今後さらに地震が起こるかはわからない、断言できない」と述べていた。
そして、今年(2024年)1月1日に地震が起きた。
この地震は最大震度7、M7.6と、今までで最大規模の地震だ。Mは昨年の地震と比べると1.1違う。Mは1違うと規模は約32倍違う。1.1違うため約40倍大きい。つまり、昨年の地震40回分起きたのが今回の地震1回分なのだ。それくらい大きな地震だったと言える。
昨年は主に石川県珠洲市に調査に行ったが、今回は道路の被害が大きく通行禁止になったので富山県氷見市へ調査に出向いた。
昨年と大きく違うのは、道路の損傷が激しいこと。昨年も、確かに道路は傷んでいたが今回はその場所が多く、自動車を運転していて段差に気が付かないと、落ち込み自動車を傷つけてしまうため、何度も減速した。