フランス政府は9日(日本時間10日未明)、大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)で建設予定のパビリオン概要を発表した。フランスと日本との間にある「愛(アムール)の象徴」をテーマに設計し、期間中に300万人の来場を見込む。
ドバイ万博(2021年10月1日~2022年3月31日)でのフランスパビリオンは、建物全体に太陽光パネルを施し、会場全体を一望できるレセプションルームが印象的だった。これまでにも数多くの国際博覧会に参加した実績を持つ。
2025年万博の誘致をめぐっては、パリも大阪と同時に立候補したが、辞退した(※)経緯がある。しかしフランスでは今年(2023年)にラグビー・ワールドカップ、2024年にはパリ五輪と、世界レベルのイベントが続く。 フランス政府は「2024年夏のパリ五輪でも、大阪・関西万博に出展するパビリオンをアピールしたい」と意欲を見せている。
フランス政府は、大阪・関西万博のパビリオンを出展するにあたり、「思い」として“赤い糸”を挙げた。
日本では古くから、”赤い糸”の伝説があり、小指どうしをつなぐ目に見えない魔法のコード(赤い糸)で互いを結び付けている、という考え方だ。
「愛の形は日本とフランスで異なるかも知れないが、家族愛や(相手への)信頼、尊重を意味する」と、フランス政府代表 ジャック・メール氏は語る。
フランスパビリオンは、こうした考えのもと、共通した環境・社会課題に対応し、「愛(アムール)に導かれた、新しい未来のビジョンを提供したい」としている。フランスのあらゆる文化や技術を発信し、フランスとしての理性、美しさ、進歩などを表現する。
パビリオンは、床面積5400平方メートル、高さが最大17メートル、長さ87メートル、幅は最大31.7メートル。
オープンシアターを思わせるデザインになっている。ビストロやブティックなども設け、建物を横断する歩道橋や、屋上に1000平方メートルの庭園を設ける。