「神戸ルミナリエ」彩るイベントでも発電エネルギーに活用 廃食用油から作るバイオディーゼル燃料の今 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「神戸ルミナリエ」彩るイベントでも発電エネルギーに活用 廃食用油から作るバイオディーゼル燃料の今

LINEで送る

この記事の写真を見る(1枚)

 阪神・淡路大震災に思いをはせ、鎮魂と復興を願う光の祭典『神戸ルミナリエ』が、19日(金)から4年ぶりに開催される。今年で29回目を迎えるルミナリエは、じつは環境に配慮した行事でもある。自然エネルギーで発電されたグリーン電力が利用されているほか、 協賛事業会場の発電にも廃食用油をリサイクルしたバイオディーゼル燃料が活用されているのだ。

 バイオディーゼル燃料を提供しているのは、使用済み食用油の回収・再生処理事業を展開する浜田化学株式会社。震災で建物被害が全市域に及んだ兵庫県尼崎市に本社を置き、飲食店やコンビニなどから回収した廃油をリサイクルしてバイオディーゼル燃料やハンドソープを製造している。

 バイオディーゼル燃料が、ルミナリエ協賛事業の「KOBEディライト・ファウンテン」で使われるようになったのは2016年のこと。今年も東遊園地南側・花時計広場で開催される同イベント内に、神戸・阪神間の食品関連企業有志が出展するブースや会場内のライブステージで使う電力の発電燃料として、各ブース・地域の飲食店などから排出される廃食油を再生したバイオディーゼル燃料を使用する。これまで、発電機を囲むフェンスには廃食用油から作った旨を表示するなど、会場での周知・啓発も試みてきた。

ルミナリエ協賛事業会場に設置されたバイオディーゼル発電機(※2019年の様子、提供:浜田化学)
ルミナリエ協賛事業会場に設置されたバイオディーゼル発電機(※2019年の様子、提供:浜田化学)

 浜田化学の田中怜菜さんによると「環境問題について各企業が模索し続けた結果が少しずつ広がりを見せている」そうで、近年では廃食用油のリサイクルの需要やバイオディーゼル燃料の用途が増加しているのだとか。

 以前は海外への輸出が多かったバイオディーゼル燃料。最近は物流用トラックの燃料やイベント会場の発電用燃料として国内使用されるケースが増え、企業からの問い合わせも多くなっているという。田中さんは「高い意識があって初めて成り立つ。皆さんに支えられている」と話した。

 ルミナリエは震災の記憶を次世代へ語り継ぐ行事であるとともに、循環型社会の構築に向けて今できることを意識する場にもなると言えそうだ。

LINEで送る

関連記事