とある日、熱いお茶をすすりながら、ふと目線をやったのは手元の湯呑み。東京の国会議事堂を訪れた際のお土産として、知人が買ってきてくれたことを思い出していました。
この湯呑みには、初代総理大臣である伊藤博文さんから順番に歴代総理の似顔絵が描かれているんです。
お土産としていただいたのはもうだいぶ前のことで、菅直人さんが総理大臣だったときのこと。現在に至るまでに、野田さん、安倍さん、菅さん、岸田さんの4人が加わるため、最新版ですと1列15人で13列、総勢65人の総理の顔が並んでいることになります。
そこで、ふと思いました。今後、代が変わって総理の顔がどんどん増えていったら、湯呑みいっぱいになって描かれへんようになってしまうんちゃうん!? と。
思い立ってすぐ、巻き尺を持ってきてサイズを測ってみました。総理1人分に約1.5センチが必要であるのに対し、残された余白部分は約3.5センチのみ。となると、描けるのは2列くらいとなるため、あと10人でいっぱいになってしまうというわけです。
「似顔絵を描くところがなくなったらどうすんねんやろ?」と思い、湯呑みを作っている山志製陶所に問い合わせてみたところ、「いやあ、まだまだ大丈夫やと思ってるんですが」と笑いつつ、このような回答が返ってきました。
「一応考えているのが、タイトル『歴代首相漫像』部分を小さくして描ける列を1列増やすということ。そうすると、5人増やすことができます。それでもいっぱいになったら、湯呑みのサイズをワンサイズ大きくすることを考えています。ですから、それぞれの総理の顔のサイズを小さくするつもりはありません」