メディアアーティスト・筑波大学准教授の落合陽一氏が18日、大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)で企画するパビリオンの概要を大阪市内で発表した。
落合氏が手がけるパビリオンは、大阪・関西万博のテーマ事業「いのちの輝きプロジェクト」を具現化する8つのパビリオン(テーマ館)の1つ。正式には「シグネチャーパビリオン」と呼ばれ、大阪・関西万博の会場でメインとなる。
落合氏のほか、放送作家の小山薫堂氏や映画監督の河瀨直美氏、ジャズピアニスト・数学教育者の中島さち子氏らがプロデューサーを務める。
落合氏は「いのちを磨く」をテーマとし、ネーミングは、プログラミング用語で"データが存在しない・何も含まれていない”特殊な状態を表す「null(ヌル)」から取り、「null²(ヌルヌル)」とした。
外装には、鏡のように風景や人を映す膜素材を使用。延床面積655平方メートル、2階建てで、その膜を内側からロボットが動かし、変形させる仕掛けも採り入れるという。
また、内部も鏡張りのようになっていて、来場者は、画面に組み込まれた生成AI(人工知能)との会話で、AIが声や話し方などを学習し、自分のアバター(分身)のデータを受け取れる””デジタルヒューマン”という体験型としている。
アバターの様子はパビリオンを出た後もスマートフォンなどで確認でき、さらに個人情報を入力すると、より自身の姿に近くなり、未来の自分の姿の予想なども見ることができるという。
パビリオンの竣工は大阪・関西万博開幕直前の来年(2025年)1月ごろを予定。
落合氏は「人とAIの融合など、これまでに見たこともないものが見られるのが万博だ」と話した。
また、「null²」建築デザインを担当した豊田啓介氏は、「単なるSNS映えを超え、現地に行って直接見る価値がある」とコメントした。
■大阪・関西万博 落合陽一プロデュースパビリオン プロモーション映像 (c)2023 Yoichi Ochiai / Design:NOIZ / Arup / Sustainable Pavilion 2025 Inc. All Rights Reserved.
■落合陽一氏・アバター映像 (c)2023 Yoichi Ochiai / Sustainable Pavilion 2025 Inc. All Rights Reserved.
■「null2」体験イメージ映像 (c)Expo 2025