神戸の中心地の1つ、元町商店街(神戸市中央区)。今年、神戸で「元町」が誕生して150年を迎えるのに合わせ、同商店街の歴史が分かる貴重な写真を集めた「元町アーカイブ写真展」が開かれている。1月28日(日)まで。
1番街から6丁目まで続く商店街アーケード下に、約300枚の写真と立地ごとの店の変遷が分かる年表でつづった展示板15枚を設置。各丁ごとに商店街にまつわる「神戸三災の歩み『震災』『戦災』『水災』」「鉄道の150年」「共に歩んだ『デパート』と『港』」などのテーマで構成、当時の状況を伝える説明文も付いている。
昭和2(1927)年に完成した元町商店街のシンボル「すずらん灯」の時代ごとの姿や、港町ならではの洗練された“モダンガール”が行き交う華やかな風景などに加え、出征兵士やヒトラーユーゲントが商店街を歩く戦時の様子、焼け野原からの復興、大水害や阪神・淡路大震災時の被害状況など、地域の人々が苦難を乗り越えて商店街を支えてきたことが伝わる写真も多数並ぶ。
幕末までさかのぼる、各店の年表も圧巻。「飛脚屋」「小間物店」「ランプ店」など、今では見掛けない種類の店名がある一方で、現在も店を構える瓦せんべいの「亀井堂」(現在は「亀井堂総本店」)、菓子の「高砂屋」(同「本高砂屋」)、「神戸風月堂」(同「神戸風月堂本店」 ※「風」=かぜがまえに百)、お茶の「放香堂」など、明治時代以来の老舗屋号も確認できる。