今年は辰年。神戸で「須磨の天神さま」と親しまれている綱敷天満宮(神戸市須磨区)では最近、新たに龍神様を祀り、厄除け・金運・出世など様々な祈願をする参拝者が訪れている。
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もともと綱敷天満宮の駐車場の辺りは戦後間もない時期まで池があり、龍神様を祀っていたそうだ。「この度改めてお社を作り、もう一度神様をお招きしたという形で龍神様を祀ることになりました」と話すのは久野木晶子さん。2022年に本殿や拝殿などの修復作業を行った際、手水舎の天井に龍神を描くなどして準備をしてきていた。
この時期は合格祈願の参拝客が多く訪れ、取材をした当日の朝も受験生の家族が絵馬を奉納しに来ていたのだそう。この日は孫のために千羽鶴を折って来た人も来ていたそうで、「一生懸命、お孫さんへの思いを込めて折ったのだろうなと考えると.....すごく心を打たれました」と久野木さんは話した。
綱敷天満宮は“お守り”のラインナップが豊富なのが特徴。その数、じつに100種類を超える。絵を描ける職員が多く、50種類以上はオリジナル製作だという。御朱印も150種類以上あり月ごとに絵柄を変える。
同じ須磨区に今年6月ニューオープン予定の水族館『神戸須磨シーワールド』にちなみ、海の生き物をテーマに12か月分・12匹の柄を作っているのだそう。「1月はタツノオトシゴ、2月はアシカという感じで用意しております」と久野木さんは笑顔を見せた。
今年は毎月限定の御朱印を作っており、郵送でも対応しているので依頼のメールがよくあるという。老人ホームに住んでいる人から「楽しみなので送って下さい」という依頼もあったり、若いカップルが一緒に御朱印帳を持って訪れるなど、老若男女問わず好評だという。また「御朱印を全種類ほしい」と、ある外国人が訪れ10万円近い金額を払っていったのだそう。
続々と新しい仕掛けを行う同神社。昨年秋からは子どもに飴を配り出したという。“関西人ノリ”を意識しつつ、親しみやすさを出すために始めたそうで、「もらったお子さんはみんな笑顔になります」と久野木さんの顔もほころぶ。境内には30種類・120本の梅の木が植えられている。今年は普段より早く梅が咲き始めており、2月の中旬から末までが見ごろになりそうだ。
※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2024年1月30日放送回より