司馬遼太郎記念館(大阪府東大阪市)では、4月から全3回の連続講演会を開く。元陸上選手やモンゴル語学者など異なる分野の3人の講師が、自身のテーマや司馬さんにまつわる話などを思うままに語る、同館恒例の企画。
第1回の講師は、スプリント種目の世界大会で日本人として初めてメダルを獲得、男子400メートルハードルの日本記録保持者である元陸上選手の為末大さん。現在、スポーツ事業に携わる為末さんは、近著のテーマである「人間の熟達」について話す。
第2回は亜細亜大学名誉教授の鯉渕信一さん。鯉渕さんは、モンゴル女性の波乱の人生が描かれた司馬作品「草原の記」(新潮文庫)の取材に同行するなど、司馬さんと親しい間柄だった。現在もモンゴルに毎年赴き、学会や民間レベルで現地の人々と交流を続けている。講演では、モンゴルと司馬作品のつながりについてひもとく。
最終回は、文化外国語専門学校校長の古屋和雄さん。元NHKアナウンサーの古屋さんは、NHKのテレビ番組「街道をゆく」のナレーションをはじめ、司馬さん逝去後の「司馬遼太郎を送る会」の司会、1997年から毎年開かれている「菜の花忌シンポジウム」の司会も26回務めた。同シンポジウムでの話を軸に「共生」について考察する。
日程、講師、講演タイトルなどは以下の通り。開始はいずれも午後2時から。
4月13日(土)為末大さん(Deportare Partners代表、元陸上選手)「熟達論―人はいつまでも学び、成長できる」
5月11日(土)鯉渕信一さん(モンゴル語学者、亜細亜大学名誉教授)「司馬さんと『モンゴル世界』―作品群の地下水脈」
6月15日(土)古屋和雄さん(文化外国語専門学校校長、元NHKアナウンサー)「競争から共生へ―『菜の花忌シンポジウム』で学んだ視点」
聴講券は3回分で7500円(入館料を含む。単独の聴講券はなし)。先着152人。希望者は電話06-6726-3860またはファクス06-6726-3856(住所、氏名、電話番号を明記)で同館に申し込む。