鉄鋼大手・神戸製鋼所の2020年3月期連結決算で、純損益が680億円の赤字に転落したことがわかった。前期は359億円の黒字だった。赤字は2017年3月期以来3年ぶり。
神鋼は2017年にアルミ・銅製品での品質データの改ざんが発覚以降、業績は低空飛行が続き早期の回復を目指して固定費の圧縮など収益改善策を進めてきた。新型コロナウイルスの感染拡大は、需要が急減している航空機向けチタン事業などで損失を計上したことが響き、売上高は前期比5.2%減の1兆8698億円。鋼材などの需要が減ったという。
2021年3月期の業績見通しは「現時点で合理的な算定ができない」として公表を見送った。神鋼は収益力強化に向け、一時帰休の実施などコスト削減策を検討している。