高山帯に行かなければ見ることができない貴重な花コマクサとエーデルワイス、そして高原に夏を呼ぶニッコウキスゲが、六甲高山植物園(神戸市灘区)で花を咲かせ、見頃を迎えています。
コマクサは、「日本の高山植物の女王」と称される花で、北海道から本州(中北部)に分布しています。高さは約10センチ、花は径約2センチですが、地中に1メートルもの根を伸ばします。神秘的な瑠璃色の葉とピンク色の花の調和が素晴らしく、他の植物が生育できない岩場に孤高を守って咲いています。同園のシンボルマークにもなっています。
一方、歌でも有名なエーデルワイスは、オーストリア、スイスの国花で、ドイツ語で「高貴な白」という意味です。ヨーロッパアルプス、チロルやバイエルン地方の標高3000~3500メートルの日当たりのよい岩場や草原に生育する多年草で、生育環境によって高さは5~25センチと異なります。同園では15~20センチになるということです。岩の裂け目などに自生することから容易には近づけず、登山家たちの憧れの存在です。
同園によりますと、コマクサ、エーデルワイスともに6月下旬まで楽しめるということです。
また同園では、高原に夏を呼ぶニッコウキスゲも花を咲かせ始めました。ニッコウキスゲは、北海道、本州(中部以北)の亜高山帯の湿り気がある草原に生える多年草です。尾瀬や霧ヶ峰の群落が有名で、高さは40~70センチになります。関西に自生地はなく、群落で咲く様子は貴重です。同園によりますと、現在は亜高山帯型の1000株が見頃となり、6月中旬まで楽しめそうです。その後も高原型の2000株が6月下旬から咲き始め、7月下旬まで楽しめる見込みです。