神戸・北野に異人館を利用したコワーキングスペースがあります。「北野メディウム邸」は明治20年代に建てられた古い異人館「旧スタデニック邸」を整備し、若者が交流を深め、魅力を発信できる場所として2022年にオープン。現在は、飲食、コワーキングスペース、レンタルスタジオの3つの部門に分けて利用されています。
坂道が多い北野エリアですが、異人館ならではの“映え”を求めて写真撮影や動画制作に使用されるなど、アンティークでかわいい雰囲気が魅力となり、にぎわっているそうです。
利用者は女性が多く、自分へのごほうびにカフェを楽しむ人も多いのだとか。今年2月には、同施設の近くに異人館カフェテラス「ティファニーの休日」がオープン。6月18日(火)までの期間限定で、神戸の老舗パン店とコラボしたリボンパンが販売されています。
旧スタデニック邸の復活・活用に尽力したのは、 神戸出身の起業家・山本宝さんです。自身が代表を務める株式会社ROUGH LABO(ラフラボ)の取り組みとして同施設を運営しています。
きっかけは、コロナ禍で県外から地元の神戸に戻ったときのことでした。「町がかわいいなと思って北野エリアを散歩していたら、異人館が空き家になっていたんです。すごくもったいないなというか、『なんでこんなにかわいい建物なのに空き家なんだろう』と思いながら散歩していたら、オーナーとの出会いがあり、運営することになりました」と当時を振り返りました。
異人館の運営について、山本さんはこのように話しました。
「楽しいことと難しいこと、五分五分くらいです。異人館は火気厳禁などの制限があって、経営するうえで難しいと感じることはよくあります。それに、まだまだ空きテナントもいっぱいありますし。でも、現在はお客さんも増えてきていて、皆さんが幸せそうだと私も幸せになります」(山本さん)
若者が交流を深め、魅力を発信できる場所を目指しているという山本さん。今後の目標は、「もっと皆に北野を知ってほしい。そして『私も一緒に盛り上げたい』という人たちがいたら、集まって皆でやりたい。世界中に神戸北野の魅力を伝えていきたい」と熱意を語りました。
※ラジオ関西『Clip 木曜日』2024年5月30日放送回より