実は辛さは“味”じゃない じゃあ何?「幸福感」と関係 やみつきになる理由と注意点を専門家に聞いた | ラジトピ ラジオ関西トピックス

実は辛さは“味”じゃない じゃあ何?「幸福感」と関係 やみつきになる理由と注意点を専門家に聞いた

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 暑い時期になると食べたくなる「辛い食べ物」。味覚は「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」と大きく5つに分類されますが、ここに「辛味」は入っていません。辛味は実は感覚神経で「痛み」や「熱さ」として受け取っているそうです。ではなぜ人は辛いものを欲するのでしょうか。管理栄養士の野口知恵さんに話を聞きました。

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「ズバリ『幸福感』を求めるから」と、人が辛い食べ物を求める理由について野口さんは言います。

「辛いものを食べることで、脳内から『β-エンドルフィン』というホルモンが分泌されることがわかっています。このホルモンはドーパミンやセロトニン、オキシトシンと同じ幸せホルモンの一種。辛さで感じる『痛み』のストレスも和らげ、幸福感をもたらします。また、その辛さによる刺激が幸福感とセットとなり脳が覚えているので、『また辛いものが食べたい』とやみつきになり求めてしまうのです」(野口さん)

「辛いもの」は幸福感をもたらすことが分かっている

 夏バテの解消にも良いとされている辛い食べ物。そう言われるのには確固たる理由があるそう。「唐辛子に含まれるカプサイシンには、消化器へ送る血液の量を増やす働きがあります。それにより消化液の分泌が促され、夏に落ちがちな食欲を増進させるのです」と野口さんは説明します。

 ただし、無理して食べたり食べ過ぎは禁物とのこと。農水省のHPでは、カプサイシンを過剰に摂取することによって流涙症や鼻液漏・排尿障害・胃食道逆流症など症状が起きると述べられています。また、少量のカプサイシンの摂取は胃粘膜の保護作用が働き“胃潰瘍が発生しにくくなる”というメリットが知られている一方で、「大量摂取により感覚神経が機能不全を起こした場合は胃粘膜の保護作用がなくなる」との報告があるのだとか。

カプサイシンの良い効果はあくまで「少量」の場合に限る

 先日「激辛チップス」により高校生が救急搬送されたというニュースがあったように、子どもや感受性の強い人では粘膜炎症や吐き気・嘔吐・高血圧などの症状が報告されており特に注意が必要なようです。

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 ふと欲してしまう、辛い食べ物。適度に楽しむことで暑い夏を乗り越えましょう。

(取材・文=宮田智也)

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