韓国で昭和歌謡が注目されつつあるのを、知っていましたか? NewJeansのハニさんや、韓国でブレイク中の住田愛子さんが歌う1980年代の名曲が、いま、SNSで大きな話題になっているのです。このたび、気になる日韓ポップスの文化的交流について、シンガーソングライター・音楽評論家の中将タカノリと、シンガーソングライター・TikTokerの橋本菜津美が、ラジオ番組で語りあいました。
※ラジオ関西『中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス』より
【中将タカノリ(以下「中将」)】 韓国のガールズグループ「NewJeans」のハニさんが7月6日放送の特番『THE MUSIC DAY』(日本テレビ)で松田聖子さんの大ヒット曲『青い珊瑚礁』(1980)をカバーし、話題になりました。
【橋本菜津美(以下「橋本」)】 『THE MUSIC DAY』は観てました! ハニちゃんすごくかわいかったですね。
【中将】 先だっての東京ドームライブでは『青い珊瑚礁』に加え、他メンバーも竹内まりやさんの『PLASTIC LOVE』(1984)を歌っていたそうです。ここ数年、韓国ではHoneyWorksの『可愛くてごめん』(2022)、YOASOBI『アイドル』(2023)などのJ-POPが普通に聴かれるようになりましたが、最近は昭和歌謡ブームの兆しもあるようです。今年4月から5月にかけて日韓の歌手が出演する『韓日歌王戦』(MBN)という音楽番組が放送。日本側の住田愛子さんが披露した『ギンギラギンにさりげなく』(1981)がYouTubeで公開され400万回以上の再生を記録するという現象が起こっています。
【橋本】 すごいですね! 近藤真彦さんの曲を女性が歌うというのも面白いです。最近はK-POP風のJ-POPアーティストが増えていましたが、お互いの国で影響し合える部分があるというのはいいですね。
【中将】 今、日本で昭和歌謡ブームが起きているように、韓国の若者にも1980年代の昭和歌謡が新鮮に聴こえるんでしょうね。もともと、昔から韓国では日本の歌謡曲がよく聴かれていました。韓国では1999年に解禁されるまで日本のドラマやポップスの放送が厳しく制限されていたのですが、民間では違法コピーが大量に流通していたんですね。
【橋本】 禁止されてたのに日本のポップスファンがいたんですね!
【中将】 はい、普通にみんな聴いてたそうです。安全地帯なんて大ブームになって、1980年代には同名のブティックが韓国中に展開していたとのこと。
【橋本】 そういえば、K-POPの衣装ってギラギラで攻めたものが多くて、日本の80年代を連想させるものがありますよね。
【中将】 安全地帯の玉置浩二さん、吉川晃司さん、あとジャニーズ系の衣装は確実に影響あるでしょうね。現在、BTSをはじめK-POPアイドルたちが世界を席巻してますが、韓国のアイドルシーンは日本の少年隊を模倣するところから始まりました。
【橋本】 以前、この番組でも取り上げましたね!