くつろぎ空間でおいしいものを食べる「ヒュッゲ」って? 幸福の国・デンマークのライフスタイルとは | ラジトピ ラジオ関西トピックス

くつろぎ空間でおいしいものを食べる「ヒュッゲ」って? 幸福の国・デンマークのライフスタイルとは

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 国際連合の、持続可能開発ソリューションネットワークが毎年発表する「世界幸福度報告」。そのランキングで毎年上位にランクインするのが、北欧のデンマークです。特に、同国の生活に根付く「ヒュッゲ」という考え方は、昨今、他国でも取り入れようとする人が増えています。まだまだ日本では知られていないヒュッゲとはどういったものなのでしょうか?  ホフステード・インサイツ・ジャパン株式会社のファシリテーターで、デンマークでのプログラムをきっかけに文化を学ぶようになった祖父江玲奈さんに詳しく教えてもらいました。

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デンマークに伝わる考え方「ヒュッゲ」(提供=祖父江さん)

「ヒュッゲはデンマークやノルウェーの言葉。『人と人との繋がりから生まれる幸せ』を意味する単語で、幸福を感じている状態を表します。デンマークにおいて、ヒュッゲを動詞形で使う時は“一緒にのんびり過ごそう”という気持ちが含まれています」(祖父江さん)

「ヒュッゲしよう」と誘われた場合、「家に集まってコーヒーやお菓子を食べて話をしよう」と同意。ちなみに、学生が寮の居間でテレビをみながらピザを食べることもヒュッゲと言うそう。要は、“くつろげる場所でおいしいものを食べながら家族や友人と一緒に時間を過ごす”ということなのです。

祖父江さんが過去に開いた「ヒュッゲ」の様子(提供=祖父江さん)

「ヒュッゲを感じられるライフスタイルは喜ばしいものと考えられており、日常に取り入れられています。家のインテリアや過ごし方について考えるのもそのひとつ。デンマークでは自分がくつろげる時間や場所を考えることを大切にしているので、インテリア雑誌も多くの種類が売られています」(祖父江さん)

 デザイナー家具でも有名な同国。当然のことながら高価なアイテムです。そのため日本における家具とは少し意味合いが違い、何年もかけて家のリビングデザインを考えてリノベーションしたりデザインを変えたり……ということが当たり前のようにおこなわれています。こういったことは「リビング改修プロジェクト」と呼ばれ、暮らしの楽しみに取り組む人も多いとか。

 ヒュッゲが生まれた背景として、北欧の「長く暗い冬」が大きいのではないかと祖父江さんは分析します。それを裏付けるかのように、他の北欧の国にもヒュッゲ的な考え方があるそうです。「スウェーデンにはフィーカという、人間関係を大切にするため勤務中に仕事以外の話をするコーヒータイムの文化があります。フィンランドでは家で過ごす時間を重視するため多くのインテリアブランドが生まれています。厳しい環境で生きていくため、人間がお互いの意見を尊重して協力するという文化が形成されたのではないでしょうか」と祖父江さん。

 またデンマークでは、作家のアクセル・サンデモーセが小説の中に登場させた「ヤンテの掟」という考え方が有名。架空の掟ではあるのですが、謙虚で平等な北欧に生きる人々の気質があらわれている考え方で、「ヒュッゲ」にもあらわれているかもしれません。祖父江さんは「現地の方に聞いてもあまり意識していないと言われることが多いですが、北欧を外から理解する上では一つの観点として有効かも」と話します。

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 デンマークでは毎日「ヒュッゲ」を感じることが、幸せな人生に大切な要素だと考えられているそう。我々日本人も、ためしに取り入れてみるといいかもしれませんね。

(取材・文=つちだ四郎)

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