五輪2大会連続メダリストで、体操元日本代表の池谷幸雄さんがラジオ関西の番組『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』にゲスト出演。後半回となった7月22日の放送では、間もなく開幕するパリ五輪に向け、男子体操団体メダル獲得のポイントを語りました。
2004年アテネ大会から5大会連続でメダルを獲得している、体操の日本男子団体。前回の2021年東京五輪では銀メダルだっただけに、今回は2大会ぶりの金メダルに期待が高まります。メンバーは、東京五輪個人総合と種目別鉄棒の金メダリストでもあるエースの橋本大輝選手(22)をはじめ、東京五輪種目別あん馬で銅メダルを獲得した萱和磨選手(27)や、谷川航選手(28)といった前回の団体銀の経験者と、五輪初出場となる岡慎之助選手(20)、杉野正尭選手(25)が名を連ねました。
番組では池谷さんに、パーソナリティー陣から「今大会の体操男子はどうなのか?」と単刀直入に質問が。
これに対して、池谷さんは「橋本大輝選手と団体日本チームでどちらが金をとれる可能性が高いかといえば、橋本選手のほうが(確率は)ちょっと高い」とコメント。今大会も日本体操界のエースは優勝候補に挙げられているようです。
一方、男子団体に目を向けると、「団体は中国がめちゃくちゃ強い」と独自の見解を明かす池谷さん。特に日本にとってネックとなっている種目が、つり輪だといいます。中国人選手はつり輪で世界トップレベルなのだそう。
池谷さんは「(つり輪で)1人2点×決勝3人で6点くらい点差が開いてしまう。つり輪って、失敗しにくい種目。力わざで、そんなに(成績が)ブレたりしないので」と語るとともに、そこで点差を広げられてしまうからこそ、他の種目でどう補って逆転するか、あるいはつり輪での得点差をいかに縮めるかが課題だと指摘していました。
また、団体戦では「選手ごとに得意不得意が偏る場合もあるのか?」という質問に対しては「それを均等にするために選び方を変えたんです」と、近年の体操競技のメンバー選手について明かす池谷さん。「僕らのときは(予選会の)上位6人が出場できていましたが、今だと1位、2位は順番通りの選手だが、他の選手はそれぞれの種目に強い選手を集めている」と、団体戦で勝つための選考が行われているようです。だがしかし、池谷さんいわく、日本にはつり輪が得意な選手があまりいないそうで、その原因として日本人の力の弱さ、筋力の弱さを挙げていました。
さらに、池谷さんはアメリカの選手にも注目しているといいます。その理由は、次回、2028年にアメリカ・ロサンゼルスで五輪が開催されることにあるそうで、「アメリカは自分の国で(五輪を)やるときはめちゃくちゃ強化する。『なんでそんな強くなるねん!』というくらいすごい(成績が)上がる。今回は(自国開催の4年後を見据えて)20代前半の選手しか出さないらしいが、若い選手ばかりなので、はじけるかもしれませんね」と、中国のみならずアメリカも強大なライバルになり得ると語っていました。
「(日本の男子団体は)メダルはとってくれると思いますが、何色になるかはちょっと微妙。つり輪(の点差)をどれくらい離されないように中国と戦って、他の種目で逆転するか。団体戦は1種目を3人でやって合計で点を出すので、1人がぽろっとミスするとめちゃくちゃ順位が変わるもの。だから(結果がどうなるか)全然分からないですね」と、池谷さん。いかにミスなく結果を残せるかも、メダルへのカギとなりそうです。
※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』より
(2024年7月22日放送回)