苦難乗り越えステージに 神戸出身のシンガーソングライター 生きる道を切り開いた兄の言葉 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

苦難乗り越えステージに 神戸出身のシンガーソングライター 生きる道を切り開いた兄の言葉

LINEで送る

この記事の写真を見る(2枚)

この記事の動画を見る

 幼少期に自閉症の診断を受けたシンガーソングライターが、様々な苦難を乗り越えて、今夏、ワンマンライブの舞台に立ちます。その大きな力になったのは、家族のサポートでした。

 神戸出身のTAKERUさん。魂に響くような歌声で魅了するシンガーソングライターは、小学校2年生のときに自閉症と確定診断を受けた経験を持ちます。当時はそれを知らずに育ってきたなか、学校生活になじめず、いじめや不登校を経験。「14歳の頃に生きるのを一回やめようとした」など、生きることをすごくあきらめていた、自分のことを信じられなかった時期があったといいます。

 そこから大きく変われたきっかけになったのは、TAKERUさんの兄のひとことでした。

「僕はあまりしゃべれなくて、いっぱい悪口とか言われると、手が出てしまっていた。それしか対抗できなかったから……。学校側は目に見えるキズしか見てくれなくて、僕の心にある傷を全然理解してくれず、(その学校側の報告から)ウチの両親も『学校がこう言うから、あんたがどうせやったんでしょ』みたいな感じのところまでなってしまった。でも、そのとき、兄が、『家族がTAKERUのことを信じなくて、どうするんや!』と言って、母と父(とTAKERUの間)に割って入ってくれた。『俺は誰が何て言おうと、TAKERUの言ったことを信じる! だから、TAKERUのこと、そういう見方は絶対やめてくれ』と、僕を信じてくれた。それは僕の記憶、心に、ずっと刻まれている」

「だれかひとりでも、自分がここにいてもいいんだということを認めてくれる人がいるというのが、僕にとってものすごく大きな力になった」というTAKERUさん。そこから家族の絆もより強固なものになり、TAKERUさん自身も、新たな道を踏み出していきます。

 音楽に目覚めたのは、「海外に行ったほうが、自分には合っているかもしれない」という思いで英語を勉強し、高校卒業後にわたったアメリカでの経験から。マイケル・ジャクソンの名曲「ヒール・ザ・ワールド」との出会いが、人生を大きく一変させます。「なんて素晴らしい曲なんだと思って、そこからまずマイケル・ジャクソンにのめりこみ、時代をさかのぼって聴いてきた」。そこから、今度は自らが歌う、パフォーマンスを見せる側に。その後、オーストラリアを経て、帰国してからは本格的に音楽活動を開始します。

 ギターの弾き語りがメインも、演奏するジャンルは、レゲエ、R&B、ポップス、フォーク、ロック、ファンクなど多彩。「ジェームス・ブラウンやマイケル・ジャクソンがすごく好き。最近ではブルーノ・マーズとかも。彼らのような“ショー”を作りたい」という1998年生まれの青年は、大阪や神戸でのフリーライブなどで地道に腕を磨いていくと、昨年8月には大阪・梅田のライブハウスUmeda TRADで初のバンドワンマンライブ「魂の音楽祭」を実施。そこから1年となる今年8月17日(土)、ルネッサンスクラシックス芦屋ルナ・ホールで、「TAKERU ONE MAN SHOW 魂の大音楽祭」を行うことが決まりました。

TAKERUさん

 今回のライブで、TAKERUさんは、自身と同じような経験をしている「生きづらさを抱えていても今を懸命に生きている」人たちや、「自分の子どもの可能性を信じ切ることができない」という親たちを対象に、150人を招待します。

「音楽と出会って、それで皆さんに支えられて、いま、音楽ができている。昔の自分みたいに『今の自分を信じられない』という方や、『今の自分と戦って』必死に生きていらっしゃる方々に、今の僕の姿を見せて、『あなたは絶対大丈夫だから、自分の可能性を否定しないでほしい』ということを伝える。それが、僕が(ライブで)大切にしたい、1つの大きな意味」と語る、TAKERUさん。

 歌うときは普段と別人格と言われるほど集中し、「本来の自分」を解放。シンガーソングライターは「僕の天職」だと、にこやかに話す若武者は、最後に、次のようなメッセージを寄せました。

LINEで送る

三上公也の朝は恋人 (3) | ラジオ関西 | 2024/07/23/火 09:00-10:00

放送後1週間聴取可能、エリア内無料 radikoプレミアム会員はエリア外聴取可

関連記事