全国的に感染が拡大している新型コロナウイルスの兵庫県内の状況について、同県医師会が2日会見を開き、「昨年夏の流行時における患者数のピークを上回っている。マスク着用などの基本的な感染対策を心掛けて」と呼び掛けた。
八田昌樹・兵庫県医師会会長らによると、現在、県内の流行は感染力が強く、これまでに獲得した免疫をすり抜けやすい株「KP3」に置き換わっており、定点医療機関あたりの平均患者数は15.36人(前週比1.2倍)。7週連続で増加していて、すでに昨夏流行時の患者数のピークを超えているという。
年齢別では、10代が最多で14パーセントを占め、他の年齢層はまんべんなく分布。症状としては倦怠感や発熱、筋肉痛、呼吸器症状や味覚・嗅覚障害が報告されている。重症化数は減少しているものの、肺炎を発症し入院した例などがあるという。
八田会長は、流行の背景について▽KP3の高い感染力▽マスクをつける人が減った▽冷房が必要な暑さなのであまり換気できない▽昨年までと比べ、インバウンドによる人の行き来が増えた―などを挙げ、「これから収束に向かうのかピークに向かうのか、まだ分からない」とした。
その上で「手洗いやアルコール消毒などの手指の衛生、混雑した交通機関を使用する時などのマスク着用をお願いしたい。熱中症を合併して『熱中コロナ』にならないようメリハリのある対策を。もし感染して症状が出たら、医療機関に行く前に必ず事前に電話をして、指示された受診方法に従って」と、注意を促した。