日本選手の活躍が目立ったパリオリンピック。閉会を迎えて1週間経ちますが、間もなく障がいを持ったアスリートを対象とした「パラリンピック」が同じくパリで12日間に渡り開催されます。さて、このパラリンピックに関して筆者が前々から気になっていたことがあります。それは「パラ」の意味。いったいどういう意味があるのか、日本パラリンピック委員会に話を聞きました。
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「パラ」について日本パラリンピック委員会は、「ギリシア語のPara(沿う、並行)という意味で、これに『オリンピック』をプラスして『もう一つのオリンピック』という意味を持たせています。ただ、こちらは本来とはまた別の意味なのです」と回答。
従来のパラの意味とは「Paraplegic(対まひ者)」のParaだそう。同委員会によると、パラリンピックの原点は1948年にロンドンオリンピックにあわせてイギリスのストーク・マンデビル病院内で16名の車いす患者(英国退役軍人)によるアーチェリー大会だったとのこと。さらにこの大会は1960年には「ストーク・マンデビル大会」という国際大会に成長し、ローマで開催するまでに発展しました。この初の国際大会が、第1回パラリンピックに位置付けられています。
当時から関係者のコメントの中に「Paraplegic Olympic(対まひ者のオリンピック)」という言葉が用いられていたという記録がある一方で、1964年に東京で開催された際には「パラリンピック」はまだ“愛称”だったそうです。
「元は車いす使用者だけで行われていた大会。ですが、様々なスポーツ団体との共催などを経て、多くの選手が出場する大規模な大会へと発展を遂げて行きました。1985年にはIOCがオリンピック年に開催する国際身体障がい者スポーツ大会を『パラリンピックス』と名乗ることに同意し、1988年にソウルパラリンピックが開催されました。その時点で、すでに従来の『対まひ者のオリンピック』という意味が合わなくなっていたため、解釈を変えて今にいたります」(日本パラリンピック委員会)
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パリパラリンピックの開催は8月28日から。パリオリンピックに続き、アスリートたちの活躍に期待が高まります。
(取材・文=宮田智也)